市立公園なのか庭なのか
クリスさんの家
ロンドンからも列車ですぐ行ける。レッドヒルのほど近くナットフィールドに滞在している。閑静でシャレたお家が立ち並ぶハイソな住宅地といった感じで、どの家にも見事なお庭があった(お決まりのようにプールもある)。「市立公園の間違いか?」と思わず呟いた。

確かに、これまでにも見事なお庭を見てきたが、そのどれとも雰囲気が違っていた。これまでは、どちらかと言えば、家畜の飼育や民泊を兼ねた庭スペースで”一般家庭の庭”というよりは”牧場”や”パブリックパス”のような感じだった。しかし、今回は大きな区画の個人宅にある、正真正銘の一般家庭の庭だった。




クリスさんの旦那さんは20年以上前に亡くなっているが、お家のなかには、その昔船乗りだったという旦那さんゆかりの品が各所に上品に飾られている。写真に映る旦那さんは、とても格好よかった。

そのほかにも見たことのない珍しい調度品がずらりと並んでいたのだが、これはクリスさんの趣味で、旅先で購入してきたものが多いそう。娘さんが南アフリカに住んでおり、特に南アフリカの品が多いようだった。

特に、木のものが好きなのよ。
初日のルームツアーでは、ひとつひとつ丁寧に作品にまつわるストーリーを教えてくれた。そして、趣味だという美しい家族写真のコラージュも嬉しそうに見せてくれた。
そうね、息子カップルが定期的に来るからあなたもそのうち会えると思うわ。

二人で買い出しに出かけた。お家は町外れにあって、スーパーまでは少し距離があるが、その道も両サイドが緑の垣根やクラシックな石で覆われ、感じがよかった。買い出しを終えて帰ってくると、クリスさんは手料理を振る舞ってくれた。

クリスさんは料理のレパートリーをたくさんもっていて、お菓子(プディング)も例外ではなかった。定期的に”プディングを作る日”が設けられていて、その多くは息子たちや客人が来る前が多かったが、自由に食べていいわよと毎日美味しい手作りプディングにアクセスできた。砂糖をふんだんに使ったプディングはとても美味しかったが、これはひとまわり大きくなると確信した。

美味しいプディングとティー。ガーデンからの眺めも毎日美しくて、すっかり出不精になりそうだ。家に市立公園があるんだもの。
