花巻→平泉
奥州藤原氏の描いた理想郷
花巻が想像以上に居心地のよい街だったので、もう少し居ようかとも考えたが、やはり”餅”が食べたくて南下することにした。姐さまたちに教えてもらった、一関の餅文化。そう、ここらは伊達藩由来の餅文化が根強く残っている。伊達藩の殿様、餅好きだったのかな、なんて考えながら、とうとうこの地にやってきた。

学校でも習った、平泉。

歴史にはあまり詳しくないが、古典で習った「奥の細道」の一節は覚えている人も多いのではないかと思う。

国破れて山河あり 城春にして草青みたり
夏草や 兵どもが 夢のあと
五月雨の 降り残してや 光堂
松尾芭蕉「奥の細道」
あの芭蕉も、平泉に残る奥州藤原氏3代の跡を訪ねて、その栄華に想いを馳せたようだ。


ガイドブックや、街中で手に入る案内冊子でも、ここ平泉の項は一際”やんごとないオーラ”を醸していた。
実は当初、歴史ファンでもないし、奥の細道ファンでもないからと平泉に立ち寄ろうかどうか悩んでいた。しかし、駅に降り立った瞬間、”あ、来てよかったっぽい”と感じた。その空気感は、これまでの花巻とまた少し違っていたが、凛とした佇まいのなかに、どこか安心できるような居心地の良さがあった。

平泉は、浄土を現す奥州藤原氏の遺跡群が世界遺産になっている。世界遺産の地とあって、観光客の姿もちらほら見かけるが、少し散策に出かけると、これまでの地でもそうだったように、人の姿はまばらだった。

平泉に着いたら、まず何をすればよいか。
平泉文化センター
せっかく歴史の地、平泉に来たので少し勉強してから実際の文化遺産をめぐることにした。この文化センターは入館料無料だが、正直、入館料を払ってでも見たいと思える内容の詳しい展示だった。奥州藤原氏のはじまりや藤原三代の栄華、藤原氏滅亡後の寺社、時代ごとの政権とのかかわり、近代の遺跡発掘・保存から世界遺産登録まで、教科書以上の内容を知ることができた。

平泉に来たら、まずはここで歴史を勉強するのがおすすめ。
