冬のお菓子

旅のおとも

旅の最中は、分厚いダークチョコ(製菓用ノンシュガーがベスト)もしくは、パン屋、ケーキ屋さんにホイホイされ、10Lザックに甘いもんを詰め込んで街歩きに出かける。ポルトガルでは、本能のままにシュガーパラダイス。見事10kg増量を果たした。今思えば、その数年前のヨーロッパ周遊がその前説だった。

ローテンブルクのお菓子屋さんにてシュネーバルに釘付け

ドイツのお菓子屋さんは、温かい雰囲気が落ち着くだけでなく、(さすがと言うべきか)お菓子のクオリティーがどこも高い。スイスやオーストリア、ベルギーなどもドイツ系の方が多く、美味しいドイツ系のお菓子にたくさん出会ったが、クラシックでやや無骨、けれどどこか温かみのある町の雰囲気と相まって、ドイツのそれはある種の魅力を放っていた。

大好きなまち、ディンケルスビュールのお宿にてチョコシュネーバル

シュトーレン

私が初めてシュトーレンを食べたのは、ドイツ、オーストリア、そのへんをプラついていた時だ。スーパーで数百円のものだったが、ほんのりと洋酒の効いたそれがお気に入りになった。ハーフサイズでも十分な大きさで、残りをザックに詰め込んで数日楽しんだ。

ドイツのクリスマスショップにて(写ってるのはおっちゃんだらけ)

この季節になると食べたくなるお菓子、シュトーレン。神戸はドイツ系のお菓子屋さんも多く、最近はいろんなお店で見かけることも多い。日本のお菓子屋さんで見かけるのは本格的で美しく高級なものが多い印象。もっと手軽に食べたいのだが、予約制になっているところも多い。

シュトーレンは、クリスマスまでのアドベント期間に少しずつ食べるという話も聞いたことがあるが、本家ドイツ人によれば、”それ、何?”という返答も(笑)

バターたっぷりでずっしりとした生地の中には、洋酒につけたドライフルーツ、ナッツがぎっしりと練り込まれている。日が経つにつれてじんわりと味がなじんで変化していくのが特徴だ。

ヴィーガンシュトーレン

最近は、ヨーロッパ各地でヴィーガンオプションが増えてきているようで、SNSでパン屋さんやお菓子屋さんが出しているヴィーガンスイーツに釘付けになっている。ヴィーガンクロワッサンなんかは、見た目も美しく、バターの印象しかないこんなものまで作れてしまうのかと驚いた。紫波町で食べたヴィーガンアップルパイも絶品だったが、家の近所でヴィーガンオプションを出しているお店はまだ見つからない。

シュトーレンをもっと手軽に、そしてヴィーガンでできないか。

材料

  • 米粉;100g+α(最後に振りかける用に少量)
  • バナナ;160g(2-3本)
  • ベーキングパウダー;小さじ1
  • メープルシロップ(甜菜糖などでも);大さじ1
  • 米油;大さじ1
  • ドライフルーツ&ナッツ;50g(ラム酒、私はポル製ジンジャであえておく)

作り方(オーブンは180度に予熱しておく)

  1. ボウルにバナナを入れフォークとヘラでしっかり潰す
  2. 1に米粉、ベーキングパウダー、メープル、油を入れて混ぜる
  3. さらにドライフルーツ、ナッツを入れて混ぜる
  4. 天板にクッキングシートをひいて生地をのせ、かたちを整える
  5. 180度のオーブンで20分焼く
  6. 一旦取り出して茶こしで米粉を振るう
  7. 180度でさらに10分焼く
シュトーレンもどき

米粉は、製品によって吸水率が異なり、お菓子作りには毎度苦戦している。最近、ついついパンを食べ過ぎるので、米、米粉を意識して摂るようにしているが、この吸水率の違いで、いつもなんだか訳のわからないものができあがる。今回は、天板に乗せた際少しベチャベチャしていたものの、焼けばモチモチでちゃんと成形された。もう少しバナナを減らすか米粉を増やしてもいいかもしれない。

私がヴィーガンスイーツを作ると、その美味しさは毎回まちまち。しかし、今回は家族も美味しいと言ってすぐになくなってしまったので、ひとまず成功かな。

モチモチの食感で、味も本家とは少し違う”もどき”だけれど、気軽に冬のお菓子を食べたい方におすすめ。

<今回使用の材料>