台湾の鉄道、台鉄は基本全席指定。インターネットで2週間前から予約もできる。ただ、台鉄は東部を移動する要の交通手段とあって、発売と同時に秒単位で売り切れることもあるようだ。そんな場合は、「無座票」という自由席の切符を当日買うことになる。無座に座れる保証はない。

渡航前に各列車の予約をしていたのだが、瑞穂から台南への列車予約が唯一出来なかった。瑞穂は小さな駅のため、停まる列車の数も少ない。ましてや台南までの長距離移動となると、直通列車は1本しかない。

花蓮の宿で、オーナーのカタギリさんに相談すると、「それは、ちょっと厄介だねえ」と苦々しい表情を浮かべた。台湾では7、8月が夏休みで、8月の最終日曜は休み最後のバカンス。家族連れが多く、激混みの可能性が高いこと。運が悪ければ、無座票も難しいとのことだった。

花蓮駅

翌日、カタギリさんはいい案がないか駅員さんに相談を持ちかけてくれた。駅員さんの返答は、「どの席もsold out。時間をずらして乗り継いでも状況は一緒。当日、無座票を買ってください」だった。

運にまかせ、当日、瑞穂駅で切符を買いに窓口に向かった。無座でも乗れたらよしとするしかない。

すると、駅員さんは躊躇なく指定席券を即座に発券してくれた。どういうことなの?渡航前からの懸念は杞憂に終わった。そう言えば、帰り際にカタギリさんが、「台南のほう、今また大雨でやばいらしいよ。洪水で胸元まで浸水してるって話だよ。地形上、地盤沈下しやすいところだからね。気をつけて。」と言っていたのを思い出した。キャンセルがでたのかもしれない。洪水被害が出ている台南に向かうのだ、気を引き締めないと。