神社から教会へ

新城という地区にある新城神社(天主堂)を訪れました。新城は、もともと原住民のアミ族、タロコ族が住む土地だったようです。こちらは、現在カトリック教会なのですが、日本統治時代には神社として存在していました。

南国の雰囲気が漂う

日本の統治時代終焉を迎え、その時代の建築物が取り壊されるなか、台湾に来た宣教師たちにより鳥居や石灯籠、狛犬を残し、本殿跡地に聖母マリア像が建てられました。

狛犬とマリア像

南国の雰囲気のなか、神社の狛犬と教会のマリア様が同じ空間にあります。このような光景は今までに見たことがなく、印象的な空間でした。違和感なく二つの象徴が共存していて不思議。

神社から教会へ

このような独特の景観が、日本統治下における台湾の人々の抵抗の歴史によって成り立っていることを考えると少し複雑な心境になりました。統治時代においては、原住民の文化や生活を尊重しない厳しい政策が行われ、両方に多くの犠牲者も出たようです。現地の方がこの景観を見る目は、私たちとはまた違ったものであるだろうと思います。「独特で美しい景観だね」だけではなく、自国の歴史についてももっと知らなければいけないなと感じた場所でした。

新城天主堂

説明を聞いて十字架を見るまで、この建物が教会だと分かりませんでした。

爽やかな風の吹き抜ける教会

敷地内見学中も、清掃員の方がこぎれいに周辺を清掃、管理されていました。そのおかげで、敷地内の植物は大変美しく、時おり吹き抜ける風が心地よかったです。この教会の入り口付近にも石灯籠と狛犬の姿があります。

ノアの方舟をイメージして造られたよう(礼拝堂背面)

少しだけ史実を調べて訪問すると、また違った見方ができるかもしれません。