個人商店が並ぶ瑞穂駅前(温泉街とは反対側)

台湾は弁当も名物。瑞穂から台南までは急行で約5時間かかるため、弁当を買うことにした。車内販売や、名物弁当を売る地域(弁当売りがホームに来てくれる)もあるが、瑞穂駅前に弁当の文字見つけ、店に入ってみた。

軽食屋も兼ねているお店で、私たちがよく言う「沖縄っぽい顔立ち」の可愛いらしい女性が現れた。

そう言えば、「台湾でよく見かける目鼻だちのはっきりした”濃い”顔立ちの人はだいたい原住民の人たちだよ」とカタギリさんが言っていたのだが、彼女もそうなのだろうか。

とりあえず、日本語の発音で「ベントウください」と言ってみた。伝わらず、ランチボックス!と言ってみたが、軽食屋も併設しているためランチというとこれまた具合が悪い。得意のボディランゲージでウィンドウにデコられた大きな文字を大げさに指差すと、彼女は笑顔を浮かべ、「ああ、ビェンタン!」と言った。

弁当が伝わったところで、どうやら弁当にも種類が何種類かあるらしい。女性はひとつひとつ丁寧に説明してくれた。「ちなみに、どれが一番好きなん?」と聞いてみた。どれも美味しそうで迷ってしまったので、彼女が好きだと言った「排骨弁当」に決めた。骨つき肉という意味らしい。すると奥から年上の女性が出てきてレモン水を入れてくれた。彼女はメニューを確認すると、また奥に入っていった。

その女性を待つ間、椅子に座り2人でいろいろ話をした。日本語と台湾語の違いや旅計画についてなどなど。

温泉まで歩いたとか信じられない!もう、タク呼んであげたのに!

彼女はそう言いながら笑っていた。しばらくすると、ほかほか出来立ての弁当とスープを持って女性が戻ってきた。どうやら出来合いのビェンタンではなかったらしい。手作り弁当だ。「気をつけてね、よい旅を」彼女たちのすてきな笑顔で胸がいっぱいになりながら、ホカホカの弁当を抱えて台南行き列車に乗り込んだ。

排骨弁当