潜伏キリシタン

五島列島には50以上の教会が点在し、祈りの島とも呼ばれている。ドライブをしていると、島の岬に祈りのモチーフや教会が見える。自然に美しく溶け込む素朴な教会群に、潜伏キリシタンの歴史を垣間見ることができた。

堂崎教会裏手の散策路

キリシタン禁制下の五島では、潜伏キリシタンたちが密かにキリスト教を信仰し続けた。授業で聞いたことがある程度だったが、当時の踏み絵の図などはどこか心地悪く感じたのを覚えている。五島でのこうした偽装棄教は1873年に禁教令が解除されるまで250年程度続いたそうだ。そうした弾圧の時代の終焉とともに、自由な信仰の喜びを教会建築というかたちで表現し、今なおその美しい建築に触れることができる。

堂崎教会

福江のシンボル的存在の堂崎教会を訪ねた。教会内は五島のキリスト教弾圧に関する歴史資料を展示する資料館になっている。数ある教会群のなかでも有名な教会のため、絶えず観光客が訪れていた。

入り口

ヨーロッパの教会で見た雰囲気や色合いとはまた違う、独特の空気感だった。決して華美ではないけれど、信者たちの信仰心の厚さがうかがえる美しい建築や装飾。そして、展示物の絵に描かれる人物には、どことなく東洋人の雰囲気があった。資料館はかなり詳しく解説が展示してあるので、興味のある方はぜひ足を運んでみるとよい。

教会の前はとても穏やか

教会の隣に立つおしゃれなコーヒースタンドに立ち寄った。笑顔の素敵なご高齢の女性が店を切り盛りしていた。手際の良い姿に感心し、女性に話しかけた。

私「ここは長いんですか?」

女性「私は息子夫婦の代役なのよ〜」

私「じゃあ今日はたまたまなんですね〜」出てきたハニートーストを頬張る。

女性「かれこれ3年ほどヘルプをね〜」

穏やかな時間の流れるこの島に夢中になってきている。

三井楽教会

貝殻を使ったモザイク壁画が美しい教会。内部が美しい教会は多いけれど、外観を見るだけでも元気になれそうな色合い。

この色味が本当に美しい