五島に来たからにはと、九州百名山のひとつ七ツ岳(ななんだけ)を縦走してきました。情報が少なく、標高からは想像していなかった急な岩壁が次々と現れます。昨年、神戸の馬の背を登り、岩ってこんな感じかなんて分かった気でいたのですが、甘い考えでした。

標高と難易度、感動は相関しないと学ぶ

レンタカーは返却していたので、今回はバスで行くことにしました。

七ツ岳へのアクセス(バス)
市街地の福江から登山口までバスで70分(¥720)
2017.3.30現在

乗客1人だけを乗せて登山口で降ろしてくれたバスの運転手さん。「もしかして登るの!?気をつけてね」と苦笑いをしながら去っていった理由は実際に登ってみれば納得できました。こういった場所の山は公共交通機関でのアクセスが不便なことも多いので、登山口まで乗せて行ってくれるバスは本当にありがたいです。

登山口
苔むす石畳

亡き恩師を偲んで訪れた五島。誰もいない静かな登山道を進んでいきます。山を歩いているといろんなことを考えますが、恩師の言葉を思い出し少し涙ぐみました。来てよかったと改めて思いました。椿が案内人のようにいたるところで美しく寝そべっています。

そんな感傷的な気分に浸るのを遮るかのように、荒々しい岩が立ちはだかります。こんな急なのに鎖もついていないし、ルートを誤ったのかと再確認。どうにか攻略すると、またさらに急な岩が出現します。

ロッククライミング的なことは初めて

嘘やん!また岩!!

縦走中トップ周辺で毎度毎度この岩にぶちあたります。動揺し引き返そうかと下を覗き見て、すぐに諦めました。「急すぎる岩壁もっとムリ!!」力を振り絞りテッペンに手をかけると、変な音が鳴っています。熊ん蜂がブンブン飛んでいます。脇は崖、降りるもダメ、登っても獣道に熊ん蜂。しばらく岩に張り付いていました。考えても解決しそうにないので、えいやっと踏ん張り前に進むことにしました。絶壁の岩肌を共に歩んだおかげで、この登山靴とも強固な信頼関係が結ばれました。初心者泣かせのお山でどうなるかと思いましたが無事下山。終始ぽかぽかと天候に恵まれたのもあり、少しレベルアップした気がして充足感でいっぱいでした。

歩いてきた七ツ岳を眺める

下山後ふもとの七嶽神社にお参りし、バス停のある荒川温泉方面に向かいました。

下山後の荒川温泉は最高でした。地元の人が利用するこじんまりとした温泉でここもゆったりとした時間が流れていました。あれだけハラハラしたのに、またいろんな山登ってみたいと思うのは不思議なものです。

レトロな面影が残る荒川地区
帰りのバスメモ
荒川橋バス停→福江(¥890)
2017.3.30現在

温泉後は、バスの時間まで港でひなたぼっこをしながら過ごしました。