高千穂の山に登ると、いつも阿蘇の山が見えていた。神聖な雰囲気に包まれた高千穂のすぐそばで、荒々しく噴煙を上げている別世界が広がっているように見えた。そんな阿蘇方面の山を見ているとだんだん行きたくなってきた。

登山前に要確認!
烏帽子岳から

阿蘇山ってこんなすごかったっけ

登山しなくても見れる場所、草千里から

阿蘇のこの場所には観光で何度か来ていたが、まるで初めて来た場所のような衝撃だった。これは現実なのかと思うほどに解放感あふれる壮大な景色!

先日の噴火により、高岳、中岳は立ち入り規制がかかっているので、今回は草千里→烏帽子岳→杵島岳→往生岳を周遊することに。

まずは、草千里から続く烏帽子岳へ。

ややぬかるんでいる箇所や、熊本地方で続く地震の影響等でところどころ歩きにくい箇所はあるものの、全体的にきちんと整備されている。きれいに整備してくださる方々に感謝しないと。

烏帽子岳山頂
烏帽子から草千里

ここ阿蘇山は、高千穂の山と色もにおいも全く違っている。想像以上に気温の下がった高千穂は、外に出るのも億劫になり少々気が滅入ってしまっていたが、最高の山日和に阿蘇に来て晴れやかな気持ちになった。(一般的に阿蘇の気温は高千穂より寒いと聞いていたがこの日は温かかった)

高千穂では、休日にのんびりと阿蘇に訪れることが多いと多くの人が口にしていたが、皆が口にしていたとおりリフレッシュできそうな空気感が漂っている。

360度、絶景が続く景色。ゆっくりと景色を堪能しながら歩いていく。

杵島岳には、駐車場脇の小道から登山口に上がっていくことができる。駐車場前には、火山博物館や売店、トイレなどが集約されていて山行前後に大変便利。

杵島岳は人気のようで、ハイカーの姿を多数見かけたが、杵島岳を周遊しそのまま下りていかれる方が多い印象だった。ことあと、外輪山のほうにも行く予定なのかもしれない。

他のハイカーさんたちとルート分かれし、少し地味な往生岳に進んでいく。登る人が少ないのか、植物の成長が早いのか、杵島岳から往生岳までの道は分かりづらく、YAMAPのルートを表示してもなお道なき道だった。草をかき分け往生岳に着くとはっきりとした登山ルートが現れたが、陥没している箇所がところどころに見受けられた。

往生岳から元来た道に引き返すこともできたが、せっかくなので、現時点で最も中岳、高岳に近づけそうな外回りのルートを通って帰ることにした。ここも背の高い草が視界を邪魔し、道なき道といったような感じだ。

観光客の多い駐車場付近とはまた雰囲気が一変し、誰もいないこの付近は、火口付近で取り残された生還者のような気分になってくる。動くものといえば、肉眼でもそのスピードを感じるほどもくもくと立ち昇る噴煙と、時折上空を飛ぶヘリだけだった。大地の鼓動がダイレクトに伝わってくるような気がした。

充実した山行に満たされ、山上でいきなりだんごと地元産の紅茶を買い一服した。帰宅するのが惜しいほど、この山が気に入ってしまった。また中岳の規制が解除されたら登りに来たい。

熊本に住んでいたとき、なぜ一度も山に登りに行かなかったのか。今思えば不思議で仕方がない。草千里での散策もいいけれど、興味のある方はぜひ阿蘇五岳に登ってみてほしい。また違う景色が堪能できるはず。

阿蘇山上の情報