大叔父のはなし

宮沢賢治。ほとんどの人が知っているその名、作品の面影は岩手のいたるところで目にすることができる。岩手は賢治さんの心象風景イーハトーブのモデルになったとも言われ、作品にもたびたび登場するという岩手の自然。

北上山地最高峰、早池峰山もそのひとつのようだ。

早池峰山道から早池峰山を眺める

昔から文学は好きだが、実は宮沢賢治の作品を教科書以外でほとんど読んだことがない。それよりも、平安文学にかなり傾倒していたし、あまりに有名すぎるものはスキップしてきたから(あまのじゃく)かもしれない。

早池峰山のふもとにある賢治さんの碑

私には、大の歴史好きの大叔父がいる。昔中学で教鞭を執っていた大叔父は”変わっている”と言われているが、私が学生の頃からキラキラした眼差しでマニアックな歴史をいろいろ語って聞かせてくれた。

その大叔父が、以前、私の”ジプシー生活”を知り、”賢治さんの花巻にも行こうと思えば行けるんか、ええなあ!ふうてんの寅さんみたいやな”と言っていて、岩手と言えば賢治さんという印象があった。ふうてんは、大叔父の最上級の褒め言葉だ。

私が今夏初めて岩手に上陸したのは花巻空港で、ここが賢治さんの故郷か、などと思いを馳せた。賢治さんファンではないが、大叔父の言葉を反芻した。

そしてこの早池峰山にも、賢治さんはよく登ったらしい。地質学にも長けており、調査の一環でも登ったようだ。

今回は訪れていないが、早池峰には早池峰と賢治の展示館という館もある。

最高の山行だった早池峰山

せっかく岩手に住んでいるのだから、大叔父に土産話を持ち帰ろうと思っている。賢治さんについて地元の詳しい情報を探ってみよう。そんな、大満喫の賢治さん紀行話はまた今度。