雨の平泉

せっかく平泉に来たことだし、中尊寺でゆっくり過ごす予定だった。ひっそりとした草むらで休憩なんていいじゃないか。和菓子屋さんで休憩用のお菓子を買って、中尊寺に向かった。

ただただ雨足が弱まることを願って。

定番の観光コースなども紹介されています

雨は弱まることなく、しとしと降っていた。次第に寒くなってきて、”草むら休憩”なんて考えは消え、早々に寺をあとにした。

きれいに区画整理された平泉のまちは、ザ・観光地といった感じでとても歩きやすい。ただ、雨で誰も歩いていない。滝沢より人見ない。。

平泉には数々の観光名所がある。観光名所と言っても、テーマパークのようにそこだけが独立して異世界なわけではなく、すべてが見事に調和している。それもそうか。この土地に極楽浄土を再現しようとしたのだから。

そのひとつ、無量光院跡。

三代秀衡公が、宇治平等院の鳳凰堂を模して建立した寺院跡だ。(あら、”平等院”は金色堂ではなくこちらでしたか)

建物の中心線は西の金鶏山と結ばれていて、その稜線上に沈む夕日に極楽浄土をイメージしている。浄土庭園の最高傑作と言われているらしい。雨でモヤがかかり寂しげな雰囲気だが、ありし日の寺院を想像してみた。

今回は、毛越寺横に滞在しているのだが、あのあたりの浄土庭園も雰囲気がよい。晴れた日にじっくり散策したい。

それにしても寒い。岩手で買って最も役立っているのは、極太フリースの古着だ。東北の夏秋に、タンクトップと半袖のみで住み始めたことが今では信じられない。服の手持ちを増やすことに抵抗があったが、これは買って正解だった。これのおかげで、極寒な岩手生活をどうにか持ち堪えている。

これ欲しい

そんなことを考えながら、私はとある場所に小走りで向かっていた。”帰る”と言ったほうがしっくりくるような場所だ。