サマーリーズの夏
朝、なにげなく家のガーデンを見ると、牛がいた。
ん?どういうこと?

エミリーパパは、少し離れた美しいガーデンでいつものように美しい絵を描いている。

エミリーママは、お家で採れたカランツでケーキを作ってくれている。

ビスケットでもどう?
ティーとビスケットの洗礼は、思えばここから始まった。

私はキッチンで過ごす時間が好きだ。それは多分、エミリーとカルプナーが考えてくれた体が喜ぶ食事メニューだけでなくて、ここに集う皆の空気感が心地いいからなのだと思う。


美味しいものを食べながら、食卓で交わされる哲学的な議論。どれも興味のあるトピックなのに、英語が聞き取れずもどかしい時間もあった。けれど、言葉ではない安心感のようなものがここにあった。

夕方、車に乗り込んで向かう先。

幻想的なこの光景に思わず出た言葉。
白鳥の湖
対岸では結婚パーティーが行われていて、あたりには陽気な音楽が流れている。心踊ると駆け出したくなる。

駆け抜けた先では、沈む夕陽が静かで穏やかな湖をオレンジ色に染めていた。

裸になったエミリーが湖に入っていく。ジョーも続いた。この世の中に”楽園”と呼ぶ場所があるのなら、きっとここもそうなのだろう。禊のようにも見えた。ほのかにオレンジ色の液体が二人をそっと包み込む。まるで、そこが還る場所であったかのように。

これが、サマーリーズの夏。
