自然とつながる
エミリーと話していると、私たちも自然の一部なのだと気付かされる。これは山を歩いているとよく思うことなのだが、彼女のまわりにはそれと同じ空気感が漂っている。温かく包まれるような、涙がこぼれるような、不思議な感覚。

エミリーのヨガクラスは1日2回、リチャードの絵画クラスと交互に開講される。私たちも他のゲストも気の向いた時間に気の向いたクラスに参加していいことになっていて、なかにはガーデンでゆっくり休んだり、自室で音楽を聴いたりする人もいた。皆、自由にリラックスしながら過ごしていて、ゆっくりとした時間が流れている。

ヨガには興味があるものの、山口ワーケーションで一度体験したことがあるだけ。エミリーは、各々の身体の癖や特徴を瞬時に読み取り、ヨガの解説を含めながら、各自に合った動きで適切に体をほぐしていった。自身の体なのに、思うように動かせないことに驚く。クラスが終わると、体が少し目覚めたように軽くなった。

毎日、回数を重ねるごとに、皆身体の動きがスムーズになっていった。決して無理はしない。初心者も上級者も関係ない。大地を、空気を感じながら、自身の体に意識を向ける。彼女のちょっとした言葉かけや解説は的確で、それが次第に自信へと繋がっていく。ただ、体を動かすだけなら自分で走ったり、登ったりすればいい。彼女のヨガは、ただの身体的なトレーニングではなく、またスピリチュアルにとどまるだけのものでもなかった。これが、彼女のヨガなのだろう。私たちは、確かにここの大地とつながった。誰もが不思議な感覚を覚えていた。
