The way we were
ロバート・レッドフォードさん
ロバート・レッドフォードさんの訃報を知り、彼の作品を思い出している。彼の名はあまりにも有名で、年代に関係なく、ファンでなくても知っている人も多いだろう。特に意識して覚えていなくても、彼の出演作は印象に残っている。
小学生の頃、初めてのピアノ発表会に選んだ曲は「スティング」だった。そのとき、初めて”ロバート・レッドフォード”という俳優の名前を知ったように思う。いくつか先生が提案してくれた曲のなかから私が選んだのがこれだった。まだ子どもだった私は、彼を古い映画に出てくる渋いおじちゃんと記憶していた。共演の大スター、ポール・ニューマンと間違えて覚えていて、これが訂正されたのはもうしばらく経ってから。黄金期クラシックミュージカルに傾倒してからは、ミュージカルの人ではないし、”新しい時代”の作品の人というイメージで、そこまで熱心に鑑賞することもなかった。けれど、頓知のきいたユーモアあふれる映画「スティング」は、今もお気に入りの映画のひとつだ。後世、同じようなジャンルの作品も多く作られているけれど、やはりあの元祖は不動のレジェンドだと思う。
「追憶」を知ったのは、バーブラ探訪の過程で当然のなりゆきだったが、これは自分でも驚いたのだが、まだ鑑賞していないことが判明した。てっきり観たつもりになっていたが、作品のポスターが好みでないというのと60年代バーブラのほうが好み、ということでスキップしていたのを思い出した(テクニカラーピーポーは、ミネリ監督のビビッドさ求めがち)。ちょうどいい機会なので、追悼鑑賞することにした。
追憶
「The way we were」、この作品に関しては特に、原題のほうが作品の情緒をよく表している。
これだけ両極にいる二人がお互いの才能、生き方に惹かれあって恋に落ち、けれど、その違いがまた運命を狂わせていく。それは、必然的だったのだろうか。第二次世界大戦下のロマンス。バーブラの抜群のユーモアセンスとレッドフォードのさりげない優しい仕草が、不安定な関係性を少しだけ明るく照らしていた。
どれだけ惹かれ合う部分があっても、価値観の違いは混ざりあうことはないのだろうか。お互いに信念を貫き、自分らしく生きることを決めた2人の再会は、その眼差しにまだどこか想いが残っているように感じたが、この話は彼らにとって過ぎ去った、”過去”の出来事なのだ。彼らはそれぞれの今を生きている。とても美しくて切ないエンディングだった。(ミュージカルピーポーにはちょっと辛い!ジュディーの「スター誕生」くらい辛い!)