高千穂ハイカー3座目。岩戸よりさらに奥、上岩戸地区にあるお山。

高千穂生活をはじめ、落ち着いた折に登ろうと思っていた矢先に鹿駆除の強化月間となり、「今、山入ったらいけんよ!」と言われたのでしばらく登れず、解禁されてからは、檻から出された動物さながら山を駆け続けている。

景色があまりに綺麗で、車を降りて撮影していた。通行量が少ないので、こういうことも可能なのが嬉しい。時折軽トラで横を通る地元の方が話しかけてくれる。この穏やかな時間の流れが好きだ。

行動食

山登り前に、桜餅の差し入れをいただいたので山行に持参した。普段、桜餅は独特の香りが苦手で避けるのだが、この手作りのお餅は食べやすくて行動食として最適だった。

まだ山登りをしたことがない頃、勤めていた会社の取引先の方に山の行動食について伺ったことがあった。定期的に会社のメンバーで山に登っているらしかった。

チョコレートは行動食に最適でね。必ず持っていくんですわ。疲れたときも、なんかあったときも、とにかくチョコレートがあればええねんな。登ることあったら持っていきや。

その言葉が印象に残っていて、その後ヨーロッパの山を歩き初めてからは行動食といえばチョコレート一択だった。たまにナッツやドライフルーツも持っていくが、基本でっかい板チョコをちびちびかじっている。

それが、ここ高千穂に来てからは、スーパーで見つけた地元の手作り餅にすっかりハマってしまい、餅を何個かリュックに詰め込んで出かけるようになった。サプライズでいただく九州他県の手作り餅なども美味くて私の九州トレイルは餅とセットになった。

山の中で、おにぎりや餅をほおばると、昔祖父母の家で見た裸の大将を思い出す。山ガールでも、登山家でもなく、これに近いんじゃないか。

二ッ岳を目指して

二ツ岳の滑りやすいトレイルはともかく、登山口まで1時間かけて峠越えをしなければならないのが少々滅入った。どこまで車で行けるのか分からず、無理すると車が引き返せなくなりそうなので適当な駐車場所で止めて歩くことにしたのだ。山までは、道なのか野原なのか分からない僅かな通路が続く。歩いていると、その細いあぜ道を観光客らしいスポーツカーや、たどたどしい運転で若いカップルの車がすり抜けていった。どちらも登山客のような感じではなかったが、ここまで景色見に来たのかな。山深くて綺麗だけど、展望台あるタイプの観光名所ではない。

高千穂ハイカー3座目ゲット。山頂は眺望なしなので、ピークハントしてそのまま引き返す。疲れたときは、餅。登山口から車までの帰り道が地味に長いのでため息が出そうだが、それでも上岩戸からの夕暮れの車窓が美しく、疲れが一気に吹き飛んだ。

上岩戸の夕暮れ