高千穂で遠くの山を眺めると青いのだけれど、近くで見ると、カラフルに編み込まれたウィービングタペストリーのようになっている。

このモリモリとした山を見ていると、小学生のときに大切にしていた画材セットを思い出す。

筆だけでなく割り箸やスポンジなどいろんな素材を使った技法を知り、放課後の図工室に駆け込んでは1つの作品のなかで色を何重にも重ね続けた。たとえば青色、といっても色は数えきれないくらいに存在すること、その微妙な差異が全く異なる印象を与えることを感覚で感じていた。小さいときって皆そうなのかもしれない。

エメラルドグリーンとセルリアンブルーが好きです。

覚えたばかりのお気に入りの色名を言うのが好きだった。学年が上がり色相環を覚えてからはやや理屈っぽくなった気もするが、感覚で感じる色のほうが確かなような気がしていた。

何時間もかけて1つの作品ができあがる。もうこれでいいかなと思うタイミングで先生にアドバイスをもらいにいくと、さらに進化する作品。

授業の枠を超えて、かなりペインターしてたな。(なすびの紫色の陰影を生み出すのに膨大な時間を割いた思い出。終わりのない紫の旅路)

また描いてみたくなる風貌の山グラデーションに出会った。