低山やから、何度か行ってる山やからってなめたらあかんで、の教訓登山になりました。

荒地山

敷地面積も外観も現代美術館のような邸宅を見ながら歩いていきます。見える緑は山の緑ではなく邸宅のお庭です。どのお宅のお庭も綺麗に手入れされており、ピンクや赤色のお花があちこちで鮮やかに咲き誇っていました。住民の姿はほとんど見かけませんでしたが、メンテナンス会社のトラックがお宅の前にポツポツと停まっており、作業員の姿をよく見かけました。

邸宅を抜けた先には、まるで別世界への入り口が急に現れます。ようやくお山のルートに入っていきます。

道が分かりづらく、GPS見ながらなのに1周してもとの場所に戻ってきてしまいました。ここの川は越えるのではなくて、川の上を歩く!川は大きな目印。おろしたてのトレランシューズで川入るのは気がひけましたが、防水仕様を十分に確認できました。

わかりにくいけど浅瀬の川の上を歩く

アリ、ハチ、山ヒル、増えてきましたね。

荒地山の名にふさわしく、ややそっけない茶色のルートが続きます。がっちり登山靴では難しかった疾走も、トレランシューズで軽快に進んでいきます。山頂は眺望なしでした。秒で下山開始。

道迷い

荒地山から軽快に降りてくると、どんどん岩場が増えてきます。難易度は高くない岩場ですが、初めての靴に少し足が疲れてきました。慣れた六甲山系で試し履きと思っていましたが、膝とふくらはぎの疲れ具合が明らかにいつもと違う。。

まだ順調だった頃

高低差による衝撃を減らそうと、途中出食わした急な岩場を避け、脇にあったそれらしいまきルートを見つけ進んでいきました。これが、間違いのもと。GPSを確認すると予定ルートからどんどんずれていきます。もとのルートよりも明らかに険しいルートが続き、道かどうかも怪しい事態に。引き返せばいいものの、人が通る道のようにも見えてくる岩場。

ルートから外れてしまった場合は、GPSを頼りに草木をかき分けてもとの道に戻りことなきを得ることも多いのですが、ここから戻ろうにも左右は絶壁が続き、前に進み続けるしかありませんでした。どんどんずれていくGPS。

早めスタートだったことと、ハイカーの多い六甲山という場所が幸いし、降りていくと次第に遠くから人の声が聞こえてくるように。元のルートに戻れそうな波線ルートが近くにありそうなので、その道を目指します。

岩場がどんどん増えています。高低差のダメージは避けた岩以上でやりきれません。ルートを探り探り進んでいると、途中スマホがないことに気づきました(道迷いとスマホ迷子の二重苦で焦りマックスに)

そう言えば、さっき足に石落ちてきたと思ったけど、あれはスマホやったんか!?

あやふやな記憶を辿り、似た岩つづきの道を引き返します。それらしい岩の隙間に溜まる葉を無心にあさりました。あり?山ヒル?そんなんもうどうでもいい。奇跡的に、ありました。

丁重にスマホをしまい、どうにか波線にたどり着くことができました。これでやっとルートに戻れる!

クライマーの方がいらっしゃいました

垂直の岩壁やんけ

ロッククライミングをしないので、いつもは踏み込まないキャッスルウォールにたどり着きました。元ルート回帰は諦め、早く下山したい一心でそのままロックガーデンを目指すことにしました。

猪親子

六甲山系は猪が多く、山には「野生なので餌を与えないでください」の看板をよく見かけます。これまでにウリ坊の姿を見かけたことはありましたが、大きな猪に出会ったことはまだありませんでした。

道迷い、スマホ落としでかなり消耗していたので、早足で駆け降りていきます。

ブフォ!!

道のど真ん中で猪親子に遭遇してしまいました。ウリ坊は先に林のなかに駆けていきます。

疲れがピーク、もう何も考えられません。

秘技、知らんぷり。。

目線をはずすと、じっと見ていた大きな親猪はブフォブフォ言いながら林の中へ駆けあがりました。しかし、荒い鼻息はずっと響いており、少し距離を保ったまましばらく無心で突っ立っていました。元気があれば鳴き真似でもしてしまいそうですが、する気力もありません(それでいい)。

数分後、道迷いはもう勘弁なので、猪ルートを進みます。

ああ、これはもう無理やな。

今日も下山後の楽しみにしていたカヌレを逃しました。