豪雪地帯の豪雨

20℃前後の涼しさ。8月とは思えぬ温度に、毎日驚いている。”避暑地”とはよく言ったものだ。あの蒸し暑さが恋しくなるほどの避暑地である。

新しい道発見

自炊に必須のスーパーまでがいかんせん遠く、同じスーパーばかりでは(道に)飽きるので、趣向を変えて違う方向にあるスーパーを目指すことにした。自宅からの距離は変わらない。このへんにあったらいいなと思う距離の2倍以上ある。

初めて通る細い道を抜けると、チャリと歩行者だけが通行を許された小道があった。小綺麗な北欧調の住宅街しか見えない家のまわりにも、少し歩くと緑が見える場所があることが分かった。

そう言えば、昨日は豪雨だった。幾度となく九州在住の経験もある私は、”あの凄まじさに比べたらなんてことはない”と思いながらひょうひょうと歩いて出勤した。土地柄、台風の来る機会は少なく、職場に着くと、”豪雪には慣れているが、豪雨とは珍しい”というようなことを皆口々に話していた。

そんななか、足の悪いおばあちゃんが濡れた床で滑って転倒する事故があった。すぐに看護師を呼び、病院で精密検査を受けに戻っていった。

今朝、幸いにも精密検査は以上なしだったと丁寧にお菓子を添えて報告に来てくれたようだった。無事でよかったと皆で胸を撫で下ろした。

そんな出来事を思い出しながら、スーパーから帰る頃にはあたりは真っ暗になっていた。新しい場所に移動すると、スーパーで売っているものも異なり、スーパーはもはやテーマパークなのだ。岩手県民の”麺”へのこだわりが、麺コーナーの充実度で伺える。

重い荷物のなかから買った磯部焼きだんごを取り出し、串をくわえながら秋の匂いのする道を戻る。見知らぬ土地で、団子をほおばりながら買い出しに行くというのも我ながら乙だな、と可笑しくなってきた。両脇に重くて大きなエコバックを抱えながら、どこか足取りは軽やかだった。