ひっくり返したテーブル

ブラチスラバの歴史証人

スロバキアの首都ブラチスラバはドナウ川沿いに街が形成され、高台にはかつてマリア・テレジアも住んだというブラチスラバ城がある。現在は歴史博物館になっているが、城の存在そのものが歴史の証人のようだ。城の4隅には塔が立ち、「ひっくり返したテーブル」と呼ばれている。

遠くから眺めたほうが特徴が際立つ

長い間ハンガリーの国土の一部だったこの土地は、1541年当時のハンガリー王国首都ブダがオスマン帝国の手に落ちた際に、ブラチスラバはハンガリー王国の首都となり、ブラチスラヴァ城は王城となった。当時王領ハンガリーはオーストリア系ハプスブルク家が支配しており、その影響を存分に受けることになる。

入城

入場料は2024年7月現在、大人€14。入り口付近に無料のコインロッカー(€1返却型)あり。入り口のスタッフさんに尋ねると、私のエコバックは特に預けなくてもよいサイズだとのこと。

オスマン帝国からの襲撃に備え、ハンガリー王室の建築家の設計をもとにバロック建築へ再建されたお城はその要塞機能を強化するため幾度となく改良が加えられたそうだが、改装後の城の外観は1647年頃に完成した当時のまま基本的には現在まで保持されている。

1740年、マリア・テレジアがハンガリーの女王となった際には、王国の貴族たちにオーストリアとハンガリーの両方に住むことを約束し、多くの時間をこの城で過ごしたそうだ。そして、1761年から1766年、城は最後の大改装が行われることになる。

儀式用の階段にて

マリア・テレジアの義理の息子アルバートは美術収集家でこの城に多数の芸術品を収蔵していたようだが、現在はウィーンとベルギーに移管されている。その後神学校となったり、軍の所有物になったりと歴史の波にのまれながら、1811年、兵士たちの不注意による失火が原因で大火に見舞われ、廃墟と化したブラチスラヴァ城。その後長らく放置されていたそうだが、第二次世界大戦後、長い議論の末にようやく再建がスタートしたのは1953年のことである。

城内博物館の主な内容は、中世から現代までのスロバキア社会に関する歴史的な展示になっていて、地下から4階までと見どころがたくさん。城内も迷路のようになっていて、何度か迷子になった。特に地下通路への道はとても分かりづらくて訪問者も少なかったが行ってみる価値はあると思う。剥き出しの地層が見れて地下迷宮みたいだった。

クラウンタワー

かつて、塔巡り野郎だったことを思い出した。そう、ここにもブラチスラバの街を360度一望できるクラウンタワーがある。この場所はこの城の中で一番お気に入り。

ヨーロッパの塔に多い崩れかけている急階段タイプではなく、とても近代的
東欧にくると、この窓からの景色に魅せられがち
チェコと隣の国だけれど、感じる空気感はずいぶん違う

城内にはミュージアムショップやカフェ、教会もあった。

バロック庭園

先に述べたとおり、マリア・テレジアの時代に建てられたブラチスラバ城。現在の庭園彼女が統治していた時代の庭園を復元したもので、細部まで忠実に再現して建てられているそうだ。

美しくメンテナンスされた庭園

お城のまわり(ハイキング好きにおすすめ)

お城へは旧市街から歩いて来れるが、途中に散策ルートがいろいろあるので、城に入らずとも天気がよければ散策に来ると心地よいと思う。景色もよい。

景色が近代的なブラチスラバの街

石畳の坂道が続くためヒールは避けたほうが無難。私はサンダルで来たが、これは特に問題なかった。

ちなみに、旧市街から城に通じる細い道がこれまた秘密の抜け道のような外観で心踊る。東欧の裏路地、地下ダンジョン、ワクワクする。(ハンガリーの地下ダンジョンは印象的でいまだに忘れられない)

目立った案内標識も特になくどこに通じるかどきどきしながら進む道