都井岬
野生馬のいるところ
今回は大隅半島でがっつり山登りの計画だったが、前日の予期せぬアクシデントですっかり萎えてしまった。どうにもがっつり山に分け入る気分ではない。
そこで、到着日に鹿屋のタコライス屋のご夫妻に教えていただいた都井岬を思い出し、宮崎までゆったりと向かうことにした。道幅も広く、走りやすい。舗装道のありがたさを噛み締めながら、宮崎に入ると、気温がいくらか上がったのを感じた。宮崎での生活を思い出して、少し温かな気持ちになった、ということもある。窓を開けると、ほんのり暖かく心地のよい風がすうっと入ってきた。皆、元気だろうか。

都井岬を調べると、外国人の方のレビューが圧倒的に多い。そういう私も、キウィに教えてもらったし、ストーリーズにあげると、行ったことがあるよとアクションがあったのは欧米の友人からだった。


都井岬はきちんと管理されており、ゲートで入場料を支払って入る。野生馬保護の観点から制限速度も30km/hに定められているが、スピードを上げて走る車も一部見かけた。

この駐車場からは小松が丘までを往復する人が圧倒的に多いようだ。丘とは言っても勾配はそれなりにあるし、かなりの強風もあってか、バテている人や中腹からの絶景を拝んで引き返す人も多いようだった。
どうやらここ都井岬でも丘を縦走できるルートがあるらしい。とヤマップで調べていたので、ちゃっかり低山装備で来ていた私は、誰もいない道なき道を進んでいく。頂上付近は立っていられないほどの強風だったが、岬馬たちは何食わぬ顔で過ごしている。たまにチラッとこっちを向くが、特に気になることもないようで、また草に夢中になっていた。

この”丘のハイキング”というのが、昨年イギリスでのハイキングを思い出して少し懐かしくなった。イギリスで無数に存在するパブリックパスは、牧場の柵を飛び越え、ときに民家の横を抜け、畑の作物を横目に歩き続けた。はて、”パブリック”とはと考えながら、ちょうどこのような草原の丘には決まって羊と牛と馬がいた。彼らもやはり、私を気にする様子はほとんどなかった。

ここのルートも、ある意味”ルートであることを放棄”したような道のりだった。ほとんど人が立ち入っていないからか、標識も特に見当たらず、ルートらしきルートはないようだった。少し訝しげになりながらも、先輩ヤマッパーさんの足跡だけを頼りに進んでいく。

動植物への配慮を忘れなければ、丘歩きに決まった道などいらないのかもしれない。


前日買い込んだトレイルおやつを頬張りながら、丘の風を楽しむことにした。

休憩がてらにアダブを踏んだ。トレッキングシューズではやりにくかった。

前日の悪天候が夢だったかのような、陽気なハイキング日和。穏やかだ。
