アップデート1
”扱いやすい”旅スタイル
好きなファッションスタイル、ヴィンテージとロックを組み合わせたイギリスファッション。ロンドン探索で何より夢中になったのは、チャリティーショップ巡りだった。日本では、インターネットでしか見つからないようなブランドも、偶然入った店で破格の値で売られていたり、イギリスブランドだと、1点もののサンプル品が売られていたりした。憧れのブリッツポップの歌手たちとのコラボアイテムも身近にある。鼻息が荒くなり、ミニマリストに憧れる気持ちのロックが外れた。
髪型はここ数年、癖毛ウェービーの落武者スタイルで過ごしてきたが、先日40cmほど切ってからその扱いに困り果てている。後ろは刈り上げていて束ねる髪もないし、アレンジできそうな量もない。カット当日、美容師さんがしてくれたアレンジは素晴らしかったが、想像通り、それ以後再現は不可能だった。そもそも、ミニボブに思い切ったのは、このインド渡航が大きな理由だった。インドの水事情に用心し(衛生的な面で)扱いやすいこの髪型にしたけれど、現地の女性たちの美しい長髪を目の当たりにし、短くしたことを後悔する気持ちが日増しに大きくなっている。

インドでは、環境や宗教的な側面から、女性の大胆な肌の露出は歓迎されない。無用な誤解や巻き添えを自ら招く必要はない。暑い国では、クロップトップにショーパン、チャンキーヒールのサンダルはお気に入りの定番だが、今回はこれも封印。
ロングヘアは叶わない。定番夏スタイルも封印。鏡を見るたび、自分はどこにいったのだろうとため息をついた。結局、よれよれ低山パジャマスタイルで過ごすのだ。ラクだが、ウキウキ感はない。
修験に憧れ、今やパジャマファッションにも躊躇はしないが、ファッションで気分が左右されるタチなのだ。ずいぶん昔の話になるが、名の知れたファッションスタイリストのアシスタント採用が決まったことがある。結局、”プラダを着た悪魔”ルートには進まなかったわけだが、あのときうっすらと感じたのは、自身がどれだけおしゃれであるかというより、いや、それは前提として、空間調和を見抜くセンスのようなものが重視されそうだということだった。これは、言葉どおりの”空間”の意味と、人の気分やその場のムードといった幅広い意味を含む。ああ、横道にそれた。分かった口調で話しているが、プラダなど身にまとうタイプでもないので、聞き流してほしい。
ハヌマーン
プラダを身にまとうタイプではないのは明らかだが、服装と髪型はいつもと違って、別人を眺めているようだ。おまけに、連日のスパイシー過食から全身むくんでいる(美味いのだから仕方がない)。
けれど、鏡に映る己の姿にずっと既視感を抱いていた。

そして、既視感の正体が判明する。
ハヌマーン!
ああ、ハヌマーンか。ハヌマーンね。それ誰?と言う方、上の動画、面白くてわかりやすいので見てみて。「私、ハヌマーンに似ています」などと言うのはおそれ多いが、妙に納得してしまった。

皆に、そう打ち明けると、誰もがニヤリとしていた。ちらっと見て、ちょっと合点がいったような表情を見せた人もいた。ま、ハヌマーンですから。すると、カナコさんが、素敵な情報を教えてくれた。
バラタナティアムの演目にもハヌマーンのやつあるよ。以前見たけど、とても良かったよ!ユカリさんに合うのでは!?
なんと、まあ!
その日は、道路でも、カフェでも、レストランでも、皆でハヌマーンのポーズをして遊んでいた。
