はじめてのインド

検問からのセルフィー

先生のボーシャンボーの余韻を残しながらオートリキシャに乗り込み、空港までの地下鉄はとてもスムーズだった。だが、この空港、何かがおかしい。

空港に入るための検問!

ここに来るまで知らなかったのだが、インドでは出国時の検閲が厳しい。せっかく時間どおりに着いたのに、ここで列に並び、警察の検問を受けなければならなかった。入り口は全て警察により封鎖され、空港にさえ入れないのだ。何か事件があったのかと後ろのインド人に聞くと、”これはいつものこと。安全のためには必要なことなので特に不満はないよ。”と淡々と答えてくれた。街なかでは、皆けっこうゆるりとしていたので、ギャップが少し不思議に思えた。

私はあらかじめ発行していたオンライン航空券を見せてすんなり入れたが、アーさんは長い問答の末、別室へと連行。私は一足先に空港に入り、見慣れた一人旅風情へ。インドギャルに荷物の見張りを頼み、トイレで掃除のおばちゃんたちにサリーの着替えを手伝ってもらった。帰国仕様の冬服に着替えると、ようやく旅は終盤であることを実感して、少し寂しい気持ちになった。

ひとまず、売店でコーヒーを買うが、その価格設定がいつもの日本と変わらない価格だった。インドに来てから数十円でフィルターコーヒーを飲んでいたのが、とんだびっくり価格である。お供のスイーツを探す。数十円で買っていた一口スイーツが、1000円前後の高級スイーツになっている。頭がバグを起こしたので、コーヒーだけにして、手持ちのナッツを頬張った。空港は、どこでもない土地なのだ。

一時開放されたアーさんとチェックインカウンターで合流する。そこはとても空いていて、スタッフも皆フレンドリーだった。ここも、やっぱりまだインドなのだと安心する。すると、(これは初めての経験だったが)まさかのスタッフたちとのセルフィーセッションが始まった。

強面検問からの、セルフィー、、、

ほらチケットこちらに向けて!とポージングまで促される。空港職員さんたちが集まってきて皆で記念撮影。拍子抜けしたが、どこまでもインドだった。

結局、それが二人で過ごした唯一の空港時間になった。

タイにて

乗り継ぎは久々のタイだった。確か、タイ旅行のときも衛生状態にビビりまくり、連日のサウナ気候が合わず息絶え絶えに過ごした記憶があるのだが、今回はどこかホッとする安心感があった。インドからやってきて経験値が少し増えたのかもしれない。

ここでようやく、まだサリー姿のアーさんと合流できた。せっかくのタイなのだから、大好きなマンゴースティッキーライスを食べようということになった。

チェンナイに住んでいるの?

後ろから、にこやかな、感じのいい若いインド人カップルに話しかけられた。

私たち、実は飛行機であなたの前の席だったのよ。ほら、ビンディー付けているし、そうかなって。彼女はサリーも着ているし。

ここでビンディーを付けたままだったことに気づいた。

やっぱりマンゴーライス、うまいなあ。これも市内よりもびっくり価格なんだろうな。現在、チェンマイ郊外に滞在している友人が、新鮮な南国フルーツが食べ放題で最高だと言っていたのを思い出して羨ましくなってきた。2人とも頭はまだ少し寝ぼけていたが、南国フルーツを頬張りながら、とりとめもない話がとても楽しい時間だった。