おわりとはじまりの境目で

ロロと一緒に元旦散歩

2023

世間を騒がせたパンデミックは多くの爪痕を残しました。周りに合わせて同じことをするのが”普通”であるならば、その感覚はもはや普通ではなくなり、よりいっそう個人の選択が重要になってきました。それは、周囲を無視して我がもの顔で振る舞うことなどではなく、自身が心地よく感じる場所で心地よい仲間と、人だけでなく私たちが生きるこの大地や自然をも巻き込んだピースフルな空間を作り上げていくこと。言葉だけでは表現しづらく、どこかスピリチュアルな感じもしますが、直感で感じる感覚を今までより大切にしていきたいと感じるようになりました。また、パンデミック後初の海外旅行では、多様な文化と価値観に触れ、身を置く環境の重要性を再確認しました(そう言えば、旅ってこういうことだった)。

昨年は、大好きな祖父との別れや、身を置く環境の変化による心身の変化など自身の内面にフォーカスを当てる機会が多くありました。心で感じる些細な違和感などは、これまで見て見ぬふりをしたり、違う方面で消化したり、なるべく気に留めないようにしてきました。多くの大人たちが経験してきたように、”喉元過ぎれば熱さを忘れる”的な感覚で乗り切ってきたことも多くありましたし、そうでないと乗り越えられないような壁もありました。これが、社会人だ、大人だ。その考え方は甘い。社会生活のなかで幾度となく浴びてきた、一種の諦めにも聞こえるその金縛りの呪文。数値で評価したその結果に有意差はあるのか、エビデンスはあるのか、自身の心にさえも、いつしか呪文を唱えていました。

どちらかと言えば、いえ、とても感覚的な人なのに、いつも論理的に物事を捉えようとしているわよね。

直感で見返した世界は、些細どころではない違和感があふれていました。

ただ、そんな違和感のあれこれをさまざまな角度から眺め、悲壮感よりも今後の”楽しみ”が増えた気がするのは、昨年も多くの出会いに恵まれたからだと思います。

1人であれこれ考えることがあるならば、リアルな環境で、老若男女問わずいろんな人に意見を伺ってみるのもいいものです。そこからどうするかは自分次第。

2024

先月から山口、九州行脚の旅に出ました。

福岡→山口→鹿児島→宮崎

正念寺除夜会にてカウントダウン

会いたい方々に会いにいくのが大きな目的でしたが、旅の途中にも新しい刺激的な出会いや景色がありました。会わない時間に変わったこと、変わらないこと。ずっと一緒に過ごせることはひとつの幸せのかたちかもしれませんが、例えどこにいても思う人がいるというのも随分幸せなことです。

続く再会に思わず笑みのこぼれる毎日です。

高千穂の蒼い山々

年末年始は、2年ぶりに高千穂を訪ね、第2のお家、正念寺に滞在させていただきました。久しぶりに吸う高千穂の空気は澄んでいて、かわらず蒼い山並みが辺りをぐるっと取り囲んでいました。観光地では、噂に聞いていたとおり観光客の姿が増えていましたが、同時に昨年の台風の爪痕も生々しく残っていました。(お気に入りの秘密の小道も封鎖されてた!残念!)

2年ぶりの吉村家にて

正念寺に帰ってくると、自然と口からこぼれるのはこの言葉。

ただいま。

SNSで近況は伺っていましたが、やはり実際に会ってみるのとは違います。懐かしい皆の表情や、この場所の空気感。以前と変わらず温かく迎えてくださり、帰ってこれたことに感謝しています。

皆で本気のカードゲーム

これまで一番印象に残っている年越しはありますか?そう尋ねられて、即答しました。

2年前のここでの年越しです。

年末の大掃除や除夜会の準備など、年末年始のお寺は大忙し。家なら寝正月(もしくは無で出勤)の私が、この時期にこたつから出て動いているのですから印象に残らないわけはありません(笑)まあ、それはさておき、1年の節目の瞬間にこの場所で過ごせること自体、私にとってはとても特別なことなのです。夜空には、毎日無数の星が瞬いています。今回で人生2度目の家族と離れての年越しも、特別な時間になりました。

地元に戻ってから話したいことがたくさん。また美味しいお茶と和菓子でも食べながら、まったり話しましょう。

今年もどうぞよろしくお願いします。