お山はモヤのなか

桜島というところ

火山と聞くとすごい、行ってみたい!とついつい火山のある海外の国に目を向けてしまうのですが、日本も立派な火の国です。そのなかでも、ひときわ日常に溶けこんでいる場所、桜島。鹿児島の友人から、火山灰で今日は洗濯物が干せないとか、火山灰入れる回収袋があるとか、さまざまな地域情報を聞いたことがあるものの、意味がよくわかりませんでした。

活火山=危険な地域=人里から離れた場所

というイメージがあったからです。でもどうやら、桜島では火山と人が共存しているらしい。実際に確かめに行きたくなりました。

今も噴火してる火山と生活してるってどういうこと?

桜島のジオパーク情報、トレッキングコースの案内等充実している

アクセス

鹿児島中央駅に到着すると、早速九州の大雨の洗礼を受けました。濡れてぐちゃぐちゃになりながらチェックインを済ませ、桜島に向かいました。「どんな状況でも、桜島フェリーはほとんど運休しないんですよ。本数も多いですし。このくらいの雨じゃ動いてると思いますよ。ただし電車は止まるんで気をつけてください」そう宿泊先のスタッフさんに教えてもらったからです。

桜島フェリー

桜島フェリーに乗って15分の船旅です。もう昼過ぎなのと悪天候とで、観光客の姿はほぼありません。乗船料金は行きも帰りも桜島で決済します。片道200円、電子マネー決済もできました。

荒れていて何も見えない

上陸

桜島は現在、大隅半島側でつながっており、実際はもう「島」ではないのですが、海を渡って上陸すると、島に来た!という高揚感があります。

桜島島内で一般人が入れる最高地点、湯之平展望所には必ず行こうと思い徒歩ルートは調べてきましたが、それ以外はどのように島内散策しようか迷っていたので、桜島フェリー乗り場にあるこちらで尋ねることにしました。

桜島観光案内所

「今から湯之平へ歩いて?」

驚きと残念そうな表情で見せてもらった湯之平ライブビューはモヤで真っ白でした。何も見えません。

「晴れの日の午前中であれば、歩くのが好きな人におすすめしたいコース(湯之平まで15km)があるのですが、夕刻も近い悪天候の日に行っても眺望も拝めず、落胆と疲弊だけが残ってしまうと思います。それよりも、今日この時間からであればこちらをおすすめします。溶岩石を眺めながらの散歩はいかにも火山の島という雰囲気が味わえるイチオシの道です。私も、たまに仕事帰りに歩くんですよ。」

せっかく来た桜島で最高地点に行かないという選択肢は思いつきませんでしたが、移動日初日の疲弊と大雨による落胆で珍しく素直にアドバイスを聞くことにしました。よく知らない場所で、自身の判断で無理をして初日からへばってしまうのはやめよう。

「遊歩道に行く前に、桜島ビジターセンターに寄ってはいかがでしょうか?桜島の成り立ちが詳しく解説されておもしろいですよ」

島内には便利な周遊バス(サクラジマアイランドビュー;1周55分、9:30〜16;30まで30分おきに桜島港出発)もありますが、徒歩での散策をしたかったので、今回はフェリーターミナル周辺を歩いてみることにしました。桜島1周は約36kmとのことなので、晴れた日に歩いてみるのも楽しいかもしれません。

桜島ビジターセンター

フェリーターミナルからしばらく歩くとビジターセンターがあります。上陸してから、あまり人を見かけませんでしたが、ここで1組の観光客を見かけました。

桜島ビジターセンター

館内の展示は、桜島の噴火の歴史や火山の成り立ちなど、詳しくわかりやすく解説してありました。スタッフさんや、理事長の解説文を読んでいると桜島に対する深い愛情が伝わってきて、とてもここが愛おしい場所のように思えてきました。普段解説文などはさらっと読み流してしまうこともありますが、知らない桜島の生活情報なども興味深く、訪れた際はぜひ読んでみることをおすすめします。特に、理事長による解説パネルは必見です。今年もう5回も噴火してるんだ。

まだ見ぬ火山を思いながら、噴煙写真と記念写真。滞在中に綺麗な桜島見えたらいいな。。

ビジターセンターに撮影スペースもあるよ

ビジターセンターの裏手に行くと、そこから先はいたるところに猫が気ままにうろうろしていました。しばらく歩くとすぐに、なぎさ公園の足湯があります。雨で一人もいませんでしたが、かなりの大人数の席が用意されていました。

海岸沿いまで続く長い足湯スペース

さあ、いよいよ溶岩散歩に出発です。