ハイキングで遠出の予定でしたが、お天気がよくないので、またぷらぷらと町散策をすることにしました。

ある種のアート空間
ここアソーレス諸島はカトリックの宗教色が濃く、お家の外観や内装などにもその信仰の厚さを伺うことができます。アソーレスに限らず、海外でこういった歴史的、宗教的な事柄や建築に出会うと、宗教がこれまでの歴史や人の考え方に繋がっていることをダイレクトに感じるので興味深いです。その度、もっと深く学びたい、知りたいと思うのですが、帰国すると腰が重くなり、いまだに不勉強のままです。
ヨーロッパを旅していると頻繁に教会を目にします。教会はその町のシンボル的存在であることが多いので、観光の一環として訪問しています。カトリックを信仰する海外の友人から、ここで十字切って、そのとき足はこうするんだよとか、この聖人にはこういう物語があってねとか、丁寧に説明してもらったこともありますが(宗派によって風習がかなり違うみたいですね)、宗教的知識が浅いため、教会に行くといつも”(宗教的)アート”としてその空間を観察しています。

シンプルなものはそれだけで美しい。しかし、教会内部はとても情報量が多く、宗教画は色も多彩に使われていることが少なくないですよね。それでいて、なぜあれほどに美しいと感じるのでしょうか。複雑さの美学、とてもレベルが高い。
聖なる美術館
ポンタ•デルガーダにはいくつか教会がありますが、そのなかでも、”アート”な場所として独特な空間だった教会があります。小さな教会で、通りを歩いていても通り過ぎてしまいそうになります。
コレージオ・ドス・ジェズイータス教会
この教会は美術館の一部になっており、美術館入場料(€2)を払って入場します。

美術館部分とはまた雰囲気が異なり、教会に入ると空気が変わりました。そして祭壇は、大さもデザインも、想像をはるかに超えてきました。


遠目から見ても、その木の色合いがクラシックで美しいのですが、近くで見ても、その1つ1つの精巧さに驚きます。1m2を眺めるだけでも数時間観察できそうな勢いです。彫刻からは、今にも動き出しそうな躍動感を感じました。

木製、部分的な金メッキ、アズレージョ。専門的なことは分かりませんが、非常に多くの情報をこの3つでまとめあげていて、威厳を感じる美しさでした。
実際に祭壇の前に立つと、並はずれた厳かさ(圧迫感がすごい)を感じると思います。小さな教会ですが、どの教会よりも壮大に感じました。というか、唯一無二の存在感と言っても過言ではないです。
