サネラ、アレックスとの爽快ドライブ、日本の友人との長電話のおかげで、落ちた気分も少しだけマシになった気がします。

アクセス

今日は、ハイキング日和。バスに乗ってフォゴ湖ハイキングへ向かいました。

フォゴ湖のハイキングルート

CRP315系統のバスに乗り、運転手さんに登山口まで行きたい旨を伝え、近くになったら教えてもらうようにしました。

はい、またバス停表記のないところで降ろしてもらいました。帰りもここでいいって言われたけど、ここってどこよ(笑)まあ、なんとかなるでしょう←

降ろしてもらった道路脇、目印何もねえ

楽観的にいれたのは、多分、この気持ちのよい天気と景色のおかげ。バス停から登山口までは住宅地のある坂道を登っていきます。なんちゃって六甲な感じ。

住宅地を通り抜けて山のほうへ

ポルトガルのトレイルは本当に親切丁寧、分かりやすいです。このトレイルで一番キツかったのはこの住宅地のあたりかもしれません。これも六甲トレイルと一緒ですね。

Lagoa do Fogoの標識

緑の島

サン•ミゲル島は、別名”緑の島”とも呼ばれており、フルナスやモステイロスで見た緑は感嘆の彩度でした。そして、住宅地を過ぎるとひょっこり現れたここの山の緑も、例外なく”緑の島”の緑でした。

魅惑のみどり
アゾレスでよく見かける植物
可愛らしい鳥さんの姿も

”モヒカン”山を見ながら橋を渡ります。

モヒカンみっけ
緑の植物図鑑!
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
景色に同化する鳥さん

道は単調ですが、この島の緑が織りなすグラデーションが美しく、飽きのこないトレイルでした。時折見かける鳥さんたちや初めてみる植物。目に入るもの全てが美しく、静かな空間に置かれた陽気な配色はどこか南国の雰囲気を感じさせてくれます。

山を分けいってこんな道を進んでいく

緑の島の碧

トレイルを歩いていくと、視界が開けて巨大なラグーンが現れた。

ここに来て初めて数名の人を見かけた
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
ラグーン沿いを歩いていくと足元は悪くなるが秘境感がすごい
草木を分入って眺める静かな碧
ラグーンを眺めながらゆっくりと進んでいく
碧のフォゴ湖を眺めながらの贅沢なトレイル

これまでに見てきたラグーンも美しかったが、先日よりも間近で見れるとあって、碧と緑のコンビネーションは本当に美しく感動的だった。

ふと、何気に横を見てみると、見たこともない、そうまるでテクニカラーのような景色が現れた。現実だとは信じ難い美しさだった。

ひっそりと緑の山に隠れるようにして碧を放つ

このトレイルを歩く人は、このフォゴ湖の魅惑に捉えられてしまうのだろう。だから、人に出会うのはここが9割。

名残惜しかったが先へ進む

捨て景色なし、なんと贅沢なルートだろう。そしてまた前へと進んでいく。

海の青と紫陽花ロード

しばらく歩くと、やがて海が見えてくる。少し高いところに登るとすぐに海が見えるのは、島ならではだ。六甲トレイルも海が見えるが、見える景色は全く違う。好き好きだろうが、私はアゾレスのこの素朴な感じが好きだ。

ここからしばらく紫陽花の道が続く

日本から持ち込まれたという紫陽花を見ていると、どことなく日本に見えてこなくもない。

閉ざされた門

何も問題のない順調なトレイルだった。標識はしっかりしているし、足元に特に危険はなかった。おまけに、驚くような美しい景色を堪能できた。そんなトレイルもあと1時間足らずで登山口に戻ってしまう。

すると順路に、まるで何かのゲームかと思うような、大きく頑丈な鉄格子の門が立ちはだかった。高さは身長の1.5倍程度で、門にはこれでもかと言わんばかりの鎖と丈夫な南京錠がはめてあった。

もう一度マップを見返すが、何度見ても迂回路はないようだった。

(…さすがに戻るとかはないやろ?)

呆然と立ち尽くしていると、後ろから急に声がした。

越えるしかなさそうね

私より背の高い夫婦2人が後ろに立っていた。

リュックを反対側に放りなげ、3人で背の高い柵を順番によじ登った。難所を一緒に越えたことでチーム感が生まれ、そこからは話しながら登山口まで向かった。2人はドイツ人で、私が思い描く”自然が大好きな民”そのものだった。

そういえば、帰りのバスの時刻いつだろう..?おまけに、乗り場も不明瞭なままだ。またおなじみのアゾレス方式で、それらしい時刻にそれらしい場所でアピールするしか方法はないのだろうか。

乗っていくかい?

2人もポンタ•デルガーダに滞在しており、目的地が一緒だからよければ自分たちの車に乗って行ったらいいよと言ってくれた。幻のバスを待つつもりだっただけに、助け船だった。お言葉に甘えて同乗させてもらうことにした。

車内は、山の話で持ちきりだった。