姐さまの故郷

東北に来た理由

以前の記事でも紹介したが、私が岩手に来たきっかけは八幡平だった。あの雄大な自然の美しさは、一度は訪れてみたいとチェックリストに入れていた。

八幡平には、姐さまも通学に使っていたという汽車が走っている

H姐さま

この土地にやってきた当初、その話をH姐さまにすると、姐さまはなんと八幡平出身だという。姐さまは私より10歳年上で、現在は盛岡にご家族と住んでいる。

幼い頃から仙人のような父のもとで自然のなかで生きる術を学んできたのよ

シュッとして洗練された容姿はどこか都会的でクールビューティー。”虫は嫌い”そう言う姐さまが、仙人の娘だなんてにわかに信じがたかったが、八幡平のリアル話をいつも詳細に教えてくれる。

八幡平は奥羽山脈系のなかでも特に山深い地域。大自然のなかには秘湯も点在しており、その美しさの裏側では想像を越える過酷な冬の光景も広がっているようだ。

冬に来てみるといいよ。また全然違うから。

八幡平がきっかけでやってきたという話を気に入ってくれ、本当のお姉ちゃんができたように慕っている。

せっかくこっちに来たんだし、八幡平行ってみる?

心地の良い夏晴れの日、八幡平の町散策に繰り出した。

滝沢から八幡平の道路は天気が良いと、雄大な奥羽山脈系のお山、岩手山や姫神山などが一望できる。

滝沢の人は、滝沢から見る岩手山が一番だというけれど、私はやっぱり八幡平からの岩手山が一番だと思うのよ。どう思う?

地元の食材さがし

八幡平に到着すると、いつも吸っている空気と明らかに違う山の空気を感じた。目の前には鮮やかな緑が広がっている。

ここは自然豊かな地域で、地産地消が根付いているようだ。”八幡平のなかではまだ町のほうだ”という姐さまのご実家周辺を巡る。

町に初めてできたセブンイレブンを通りすぎ、町の”大通り”を進んでいく。雰囲気のよい緑のなかに、味のある古民家。まさに私が思い描いていた土地の景色。車窓から吹き込む涼しい風が心地よい。滝沢よりもさらに気温は低い。

学び舎 産直

グーグルで検索すると大量にヒットする産直。車を持っていないので、どこも遠くて行けていないが、土地面積あたりの産直の数には驚いている。産直はスーパー以上に身近な存在らしい。無人販売なんかも、少し車を走らせただけで驚くほどに遭遇する。

ここは、学校だったところを改装してできたという産直。

廃校になった学校を利用している

入り口を入ると、どこか懐かしい空間が。

うん、学校だ。

学校の廊下、地元の方も買い出しにきている

ここの産直、お野菜の種類が本当に多くて(見たことのない種類のお野菜もたくさん!枝ごと販売されていたり1m大の夕顔も売ってる)、価格も地元価格!家の隣にほしい!たくさん買ったけど、いつもスーパーで買うのとは比べものにならないくらいリーズナブルだった。地元のお菓子や工芸品、植物なんかも売ってる。

SHIMONO 528

地元で造られたこだわりのお味噌を探していると伝えると、姐さまが「あれ?」と車を停めた。”モトミヤ”という昔からあるお味噌屋さんだそうで、今風のお店にガラッと変わっていたので驚いたそう。代が変わり、商品やデザイン、店の外観も大胆チェンジをしたようだ。この日はちょうどプレオープンの日で、店内はまだ”さらっぴん”。店内には、お味噌以外にも発酵食品が多数揃えられていた。添加物を極力省き、原材料にもこだわった商品が多く気になる商品が多数あった。お味噌以外にもたくさん買って帰った。イートインスペースもあり、若い人に人気のスポットになりそう。

スタイリッシュになったというお店の外観

原材料にこだわる方、八幡平のお土産を探している方にもおすすめの場所。

ふうせつ花

姐さまご家族もお気に入りだというお豆腐屋さん。観光客にも人気のお店らしく、店内はいつもお客さんでいっぱい。豆腐だけでなく、大豆を使った多くの食品が並ぶ。

外にはイートインスペースのベンチが
黒大豆の豆腐、後味が少し渋く大人味

豆乳ドーナツもここの名物。作りたてが一番うまい。

八幡平の景色を眺めながら食べるドーナツ

ブロートヒュッテ麦童

パン好きには外せない、山のパン屋さん。岩手ではお米を食べようとホームベーカリーを持参しなかったが、やはり私はパンがないとダメみたい。転々と別荘地がある山の中を走らせ到着した。ランチもされているみたいなのでまた訪れたい。

入ってすぐにあるテイクアウトの商品スペースは小さかったが、雰囲気よく陳列されていた。

山のなかにひっそりと佇むお店

バブル期、全国各地から安比高原に観光客が押し寄せた頃、このあたりにはホテルやら別荘地がたくさん建設されたらしい。今でもログハウスの別荘地が点在している。かつて、スキーと言えばの人気スポットだったようだが、今ではめっきり観光客も減ったらしい。冬の安比高原にリゾート客として来てみたい。

2022年の北京冬季五輪スキージャンプ銀メダルの小林陵侑選手も八幡平出身だ。”そんな自慢できるほどは滑れないよ〜”という姐さまだが、豪雪地帯に住む仙人の娘、きっとすごいに決まっていると思っている。

普段ソフト系パンあまり食べないけど、むっちりしていて美味しかった
弾力のある生地で美味しい

帰りは、岩手山の焼走りルートを駆け抜けていった。ここらはジムニー愛好家たちが度々集っているらしく、この日も見たことのない台数のジムニーを山で目にした。