風変わりなグループ

出会い

久々にクラシックミュージカル映画を見返し、思い出したことがある。

まっさんとくうさん。

彼女たちとの出会いがいかに貴重なものだったかを初めて意識したのは、大手出版社の選考時に提出する作文を書いているときだったように思う。大学院に進んでからは、実験の合間にこっそり抜け出しては、1人メディアルームにこもってミュージカル映画を見ていた。彼女たちと離れてから2年が経とうとしていた。

彼女たちは、大学時代の親友で、この2人がいなければ、この映画鑑賞の趣味はもっと孤独で薄暗いものだったかもしれない。”旅”など興味を持たずに過ぎていたかもしれない。あるいは興味を持っても、ここまで旅の機会に恵まれなかったかもしれない。

私がクラシックミュージカル映画にハマり出したのは高校卒業間近の頃で、大学時代の趣味といえばこれ一色だった。同級生の大半は見たことのない人が多く、そんなジャンルがあることすら知らない友人も多かった。同年齢の友人たちと遊んだり、はしゃいだりするのも確かに楽しかったが、趣味についてもっとあれこれ一緒に話したかった。

NYメトロポリタン美術館にて

そんな時、大学で出会ったのが、まっさんとくうさんだった。

私がGene一直線だった頃、”この社長おもろいよな”とまっさん

あの場面のあの動きと表情、最高やんな

戸惑いや怪訝の表情を浮かべるどころか、彼女たちは目を輝かせて話に乗ってくれた。くわえて海外事情にも精通している2人は、私の知らない現地の情報までいろいろ教えてくれた。

NYの冬にやられてすぐ風邪をひいた

映画、文学、歴史、音楽、海外、旅。

放課後、講義室に残って何時間も話し続けることも珍しくなかった。出会うべくして出会ったという感じで、親友になるのに時間はかからなかった。

まっさんも、くうさんも私より年上だったが、もちろん敬語など使っていなかったし、年齢など全く気にしていなかった。それでも、いまだに同級生たちからは、”そう言えば当時、年上の方たちとずっとつるんでたよね”、”どんな話してたの?”と聞かれたりするのだから、少し風変わりなグループに見えていたのかもしれない。

なに、話の内容は今と大して変わってないよ。

そう答えておいて、自分でも少し笑ってしまう。ほんと、そうだから。