地球修復サービス

歌詞に見る環境問題

相変わらず継続中のフレンチムード。フレンチソングのホッピング中に見つけたこちら。

ポップな曲だが、地球の環境破壊がテーマで、歌詞は全て今私たちが直面している環境問題が歌われている。字幕オンでぜひ見てみてほしい。

映像ではカラフルで人工的なプラごみが強烈な印象を残す。

プラスチックの何が問題なのかというと、プラスチックゴミが燃焼されるときに生じる温室効果ガス、プラスチックの原料となる石油資源の枯渇、大量のプラスチックによる河川や海洋の汚染問題などがあげられる。年々問題は深刻さを増し、近年は特に海洋汚染問題が指摘されている。海洋に漂着したゴミの破片はやがてマイクロプラスチックとなり海の生物の生態系を乱し、食物連鎖に従って魚介類を食べる人間にもその影響が巡ってくる。環境ホルモンの生物濃縮を考えるとさらに厄介な代物だ。

私たちは地球を壊した

リペアサービスどこにあるの?

そう皮肉る彼女の背景に映るゴミの山。私たち人間が、これまでに作っては捨ててきたもの。

フランスでの環境政策

ちなみに、フランスでは、EUの中でも環境問題に対して積極的な姿勢を見せており、2020年2月に、社会モデルをサーキュラーエコノミー(循環型経済)へと転換することを目的とした法律が成立している。この法律では、2030年までに住民1人あたりの家庭ごみを15%、経済活動の廃棄物を5%削減、2025年までにプラスチックを100%リサイクル、2040年までに使い捨てプラスチック包装を終了するという目標が設定されている。

具体的な取り組みとして、2016年にプラ袋の提供廃止、2020年には、3つの使い捨てプラスチック製品(プレート、カップ、綿棒)の使用禁止。2021年には、使い捨てカトラリー、プラスチック製テイクアウト容器の蓋、発泡スチロール容器、プラスチックストローなどの全てのアイテムの提供が禁止。2022年1月には、果物と野菜のプラスチック包装が禁止(一部の傷みやすい果物や野菜は引き続きプラ包装が許可されているが段階的に廃止予定)されている。

これは、プラ問題だけではなく、燃料コスト面から外国産オーガニックより地産地消選ぶ人が多かったり、エシカルファッションを世界に先駆けて取り入れていたり、衣料品の再利用を義務化、風力発電のさらなる推進などが行われていたりと、環境問題へのリテラシーが高いようだ。

日本とヨーロッパの自然観

日本よりはるかに進んでいるように見えるフランスの環境問題への取り組み。このことは、ヨーロッパでの自然に対する概念が日本のそれと違うことも要因のひとつではないかと考えられているようだ。興味深いことに、17世紀ごろには科学的に自然を理解すれば自然をコントロールできるはずだという近代ヨーロッパの自然観が根付いていたらしい(デカルトによる近代自然観)。一方、日本では、”八百万の神”が住まう”自然”は人間の上位にある存在で、これを科学的にコントロールするという概念はないのは感覚的にも理解できる。

だからといってこのまま何もしなかったり、悲観したりしていいわけではない。個人単位の少しの心がけでも、地球全体で見れば大きな取り組みになる。

地球を修復してくれるサービスなどないのだから。