クンストハウス

フンデルトヴァッサーの建築を訪ねて

フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーはウィーン生まれの画家、建築家であり、環境問題にも積極的な発言をしている。最近知って驚いたのだが、大阪のあの有名なゴミ処理場(大阪広域環境施設組合舞洲工場)も彼の作品だそう。そのほかにも、日本でも数箇所彼の作品を目にすることができる。

自然を愛でてやまない彼が拒否したのは、定規で引いたような直線。

自然の中に唯一存在しないものが直線である。社会や文化が存在しないこの直線に基づいているとすれば、やがてすべては崩壊するだろう

2015年、私がチェコからウィーンにやってきた初日、”定規で引いたみたいな街”と形容したウィーンの街。彼はこの街をどんなふうに見ていたのだろうか。

クンストハウス

そんな直線だらけのウィーンに反逆するかのように、突如現れる異質で不規則な曲線の建物。彼がデザインしたクンストハウス。建物にはガラス、金属、レンガ、木材、陶器のタイルなどが無秩序に、しかしアーティスティックに。まるで生き物のようで、直線や平面は見当たらない。

クンストハウスは美術館になっている

フンデルトヴァッサーハウス

不思議な集合住宅

美術館から歩いていける距離に、ウィーンで最も奇妙な集合住宅と言われるフンデルトヴァッサーハウスがある。

床は凸凹で緑が茂っているそう。住居は公開されていないが、1階の「クンストカフェ」でフンデルトヴァッサー自らが「自宅」ツアーをする映像を見ることができる。

異質な建物を見上げると、今にも動き出しそうな、やはり生き物のようだ。あたりには観光客が多いが、ショップの横通路からトンネルのような部分を通って中庭を見ることができる。

そこだけがシンと静かで薄暗く、生き物の体内に入ってしまったかのような錯覚を受ける。

以前、不思議な構造をした妹島和代さん設計の建物に住んでいたのだが、果たしてこちらの不思議構造の住み心地やいかに。