波乱の入国

スロバキア

ウィーンでのやり残しミッションを終え、「また戻ってきたい街」に変わったウィーン滞在。ここからは、バスでスロバキアに向かう。今年5月、日本に来てくれた皆にまた会える。こんなに嬉しいことはない。

このだだっぴろい景色に2015年の記憶が蘇ってきた

彼らと出会うまでは、自分がスロバキアを訪れることになるなんて考えてもいなかった。2015年のヨーロッパ周遊時、ブダペストからプラハにバスで向かっていた私は、ブラチスラバで一時下車した記憶があるが、ここまでの道のりは何もない”ただっ広い荒野”だった。当時、隣席のスペイン人の女の子はここで下車したのだが、「ここに何があるんだろう?」。私が思ったのは、ただそれだけだった。

警察沙汰から始まる入国もそれはそれで

ブラチスラバに到着し、記憶とは異なる降車場に混乱した。

中心地まで行きたいんですが、ここから歩けますか?

バスの運転手にそう尋ねると、彼は「え、歩くのかい?」と苦笑いをした。「行けないこともないよ。ちょっと迂回するけどね」と言われたので、そうすることにした。バスに乗ってもよかったのだが、この巨大な荷物を携えて地元の小さなバスに乗ることを考えるとそれだけでも億劫だった。(結局、地元バスの停車場もどこにあったのかよくわからなかったので、バスの選択肢は消えた)

念のため、近くの何もない広場に座って読書をしていたご婦人にも道順を尋ねてみた。

さあ、歩いていったことはないから知らないのよ、ごめんなさい。そこに道があるから、通じてるんじゃないかしら。

なんだか心許ないなあ。けれど、選択肢はないので向かってみる。グーグルさんもそう言っている。

確かに”道”はある

1本道だったので”これはこれで間違ってないかもしれない”と肯定して自分を励ましつつ歩き続ける。

注意;この時点で道間違ってます。ここまで1本道だったけど、下の道どうやっていくんだろう。

ドナウ川を渡ったその先に見えるブラチスラバ城。東欧のお城を見るとまるで御伽話の世界にやってきたかのような感覚になるが、チェコとは雰囲気が違うように見えた。ここに皆は住んでいる。重い荷物からできる限り思考を切り離そうと、あれこれ考えを巡らせていると、後方から大きなサイレン音が聞こえてきた。荷物が大きいので振り向けないでいたが、ふと途中でその音が止まった。

机をひっくり返したような城と言われるブラチスラバ城

おい!!君!!ここで何してる!!

何か近くで問答でも始まったのかと思っていると、真横にパトカーが止まっていた。サングラスをかけた警察官が不信感たっぷりに私を睨んでいる。

(いやいや、私かーい)

疲弊感と戸惑い(旅の警察ネタ、もうほんと勘弁)で頭がおかしくなりそうだったが、冷静に状況を説明した。

警察

話はわかった。けれど、ここは歩行者侵入禁止道路なんだよ。今後はきちんと歩行者通路を通るように!今回は事情が事情なので目をつむるけど、次同じことをしたら50ユーロの罰金を課すからね!

一連のやり取りで体力、精神力が底をつき始めた。

あの〜、だからそもそも歩行者道路ってどこですか?分からないからここ歩いてるんですが。(←あわよくば車で送ってもらえると嬉しい)

現実はそんなに甘くはない。

警察

この橋をもっと先に進んだところに歩行者道路に出る箇所がある。そこに出るまでの道は特に車の通行量が多いから気を付けるように!!そこまで歩いていくことを特別に許可する!

(特別に許可されたわ)と完全無の境地でトボトボと歩いていった。

確かに歩行者を見かける道に合流したが、グーグルにも道は表示されず、地元の人たちも英語がなかなか伝わらないようだった。とにかく方角だけ目星を付け、中心地を目指して歩いていった。ようやく辿りつくと、そこは観光地らしい、可愛らしい街並みが広がっていた。ウィーンで辟易していた物価も、ここでようやく日本の地方価格になった。

ブラチスラバの街

20、30分のつもりが1時間程度過ぎていた。オリバーたちから無事到着した?と連絡が入った。無事だが、とんでもなく疲れている。