レール・コリドー

旧マレー鉄道跡トレイル

以前は、タイ国境付近のパダン・ブサール駅からシンガポール南端のタンジョン・パガー駅までを結ぶマレー鉄道が走っていたそうだ。その後、シンガポール国内路線が廃止になり、マレー鉄道の終着点はシンガポール北端ウッドランズ駅となっている。

その廃線になったウッドランズ駅以南が、旧マレー鉄道跡トレイルコース「レイル・コリドー」として整備されている。今回はヒルビュー駅から出発して南下していくことにした。

トレイルと言っても、道は綺麗に整備されランニングシューズで十分だ。散策にピッタリの心地よい天候に足取りは軽かった。

心地よい風に吹かれながら歩いていると、あちこちから野生動物たちが顔を覗かせた。

たくさんの野生動物たちが住んでいるが、決まりはきちんと守ること。距離をとりながら進んでいく。

こんな大蟻もよく見かけた。

シンガポールでハイキング”を掲げてやってきた今回の散策。野生感を求めていただけに、整備され(過ぎ)たルートにあまり期待はしていなかったが、この生き生きとした南国の自然を眺めて歩いていると、とても清々しい気分になった。家族連れや友人たちと、あるいは静かに1人で、気軽に散策している人の姿を多く見かけた。どこまでも管理された人工物が目につくこの国で、”オアシス”のような場所だ。

日常生活のなかに気軽に歩ける自然散策ルートがあったことに、どこか安堵した。この国の自然はガーデンズ・バイ・ザ・ベイだけではないと確かめることができたから。

このまま旧ブキティマ駅に向かうのも惜しくなり、ルートを横にそれ、近くのブキ・ティマ自然保護区を目指すことにした。ここには、シンガポール最高地点がある。どんな景色に出会えるのだろうか。軽やかな足取りで自然公園のほうに向かって歩いていった。