標高74mトレック

慌てて寺を出てからすぐに案内を見つけた。どうしても行きたかった、プアカ丘。散策路の入り口前にチャリを停めて、ここから10分程度のトレックだ。

スコールの洗礼

到着前にスコールの洗礼を受け、湿った寝巻きでぬかるみを歩く。と言っても、今日は水着を着込んでいるので気にしない。道幅は狭く、岩場が続き、やや急勾配の道だ。一見、日本の低山獣道風だが、散策路にはきちんと柵がされ、綺麗に管理されている印象を受けた(さすがシンガポール)。

タイムオーバーまであと少しだというのに、タイミング悪く学生団体とかぶってしまった。友達同士でゆっくりにぎやかに登っている。足場の悪いなかトレランダッシュで怪我なんぞしたら元も子もない。ダッシュしたい気持ちを抑えながら15分強かかって到着した。

にぎやかで楽しそうな学生さんたち

ウビン・クオリー

この天候で、事前リサーチとは随分違う景色だった。そう、もっと快晴で真っ青な池に緑が映えて〜。まあ、雨のハイクは別の景色が見えて、それもいい。

丘の頂上から見えるのはウビン・クオリー(ウビン採石場)の跡地が池になった場所。

ウビン採石場

ウビン島は、英国進出以降に花崗岩の採掘場として広く知られていた歴史がある。ここで採掘された花崗岩は、シンガポールとマレーシアのジョホールバルを結ぶコーズウェイ橋の建設にも使用されたそうだ。1970年代に採掘場は閉鎖されて水がたまり、現在6つの跡地が存在する。

一時は採掘で栄えた島には住人が2000人ほどいたそうだが、現在はわずか数十人程度だという。

ここで記念撮影するのが王道らしいが、団体で混み合い撮影会の列ができていたので早々に退散することに。帰りは道も空いていたのでトレランもどきで丘を駆け降りた。爽快だ。

ペカン・クオリー

本気で爆走したせいで、モバイルバッテリーがチャリカゴからぶっ飛んで緊急停止してしまった。どうしたものかと考えたがどうにもならないので、気持ちを落ち着けるために、ちょうど帰り道にあった、もうひとつの採石場に寄り道していくことにした。時計を見ると、制限時間がすぐ迫っていた。

バードウォッチングに最適の場所らしいペカン・クオリー。悪天候のため、残念ながら鳥おらず。

バッテリー停止だなんて、明日からの旅中、冒険出づらくなるな。いや、こんな状況だからこそ『深夜特急』の時代風にアナログ旅も悪くない、かもしれない。

とりあえず、スマホが生きているうちに村の中心地に戻らなきゃな。雨足はまた激しさを増していた。マッキーが待っている。