美味な時間のあとで

言葉のアクセントも指摘されへんし

独特の言い回もスムーズに通じる神戸デイズ

ホームで、凡庸で、甘い

カカオマスを頬張ながら、そんなことを考えている

夜の三宮

シャッチョをはじめ、フレンドリーなメンバーに囲まれて居心地よく過ごしている。仕事終わり、食事に誘われ夜の三宮に繰り出した。以前は、職場での定期的な”飲み会”もよくある話だったが、自身の仕事スタイルの変化や、社会的な風潮もあって随分ご無沙汰している。しかし、久々の楽しくて美味しい食事時間に、とても満たされた気分になった。

もう年末が近いけれど、実は今年の年始に初めて”神戸”で仕事をした。兵庫県出身ながら、他の地方に行けば必ず「大阪の方?」と聞かれるし、こちらへ帰ってきても「大阪なんですか?」と聞かれることが多い。確かに、大阪生活が長いのでそう言われるのはもっともかもしれない。関西人なら、このちょっとした”違い”にはすぐ気づくだろうと思う。関西圏を出れば、この言い回しが通じないことも多く、あまりに何度も聞き返されるので、自身の滑舌が悪くなったのではと疑うこともしばしば。まあ、神戸でも大阪でも、滋賀でも奈良でもどこでもいいのだけれど、関西に帰ってくると馴染むイントネーションに、”ああ、自分はやっぱり関西人なんだ”と感じている。

そして、この神戸デイズに思い出したことがある。

初めてのアルバイトは神戸のとある研究、検査機関だった。先輩OBの紹介で神戸にやってきたものの、大学は大阪だったので、どこかヨソに来ている感覚が拭えなかった。職場には、生え抜きの研究者たちが揃い、ちょっとした会話もウィットに富んでいて、今思い返してもおもしろくて濃い空間だった。

飲み会好きのメンバーが多く、年上の研究者たちに連れられてよく神戸の街に繰り出した。当時、”飲み会”と言えば大学の部活飲み会しか知らず、どこか苦手意識を持っていた。しかし、ここに来て”大人スタイル”の飲み会を初めて知ることになる。美味しい食事とお酒に囲まれて、ゆったりと洒落た会話に華が咲く。分からない仕事の話も多かったが、メンバーで唯一の学生だったこともあり、皆あれこれとよくしてくれた。この時期以降、(お酒のあるなしに関係なく)皆で食事を囲む空間が好きになった。ハタチだった。

この神戸バイトがなければ、今の私はないかもしれない。ちょっとした出会い、出来事で、新たな価値観を知る。

なんて、古い記憶を辿りながら、最近の神戸デイズに思考を切り替える。これもまた、思い浮かべては口角の上がる出会いなのだ。