マルチバーム
実験は苦手ですが、図工は大好きです。

最近は、個人でも化粧品の原料を手に入れることが簡単になりました。効能を持たせたものを作るとなると、製剤特性やら組み合わせを少し考えないといけませんが、このバームに関しては、自分好みのキープ力や質感、香りだけおおまかに決めて混ぜるだけ、簡単。何度か作りましたが、少しの量の違いで出来上がり具合が変わってきます。
久しぶりに髪を短くしたので、今回はウェット感、キープ力重視のヘアバームを作ります。ヘアバームとして作りますが、ボディーバターや保湿クリーム、リップバーム、練り香水等として全身に使用可能です。あれこれ点数を増やすより、マルチに使えたほうが出るゴミも少ないですよね。そういえば、アイスランドでの滞在先のオーナーは、エクストラバージンのココナッツオイルを大量にストックし、「料理からグルーミングまで全てこれだけ、万能だよね」と言っていました。(ココナッツの香りが充満してた笑)
手作りの利点としては、
- ゼロウェイスト(プラ容器の削減)
- 自分好みの原材料だけでできている
- 好きな量だけ作れる
- 好みの質感が調整できる
もちろん防腐剤等は入れていないので、早めに使い切るのが前提です。肌の弱い方や、オーガニックで作りたい方など、それぞれ個人が納得した成分、量で作るのがよいと思います。
<ヘアバーム>(ウェット感、キープ力あり) 材料(20g)
作り方
- 精油以外の材料を耐熱容器に入れ、湯煎で溶かす(面倒な場合レンジでもOK)
- 溶けてきたらスプーンで混ぜる(ミツロウの融点は約65℃)
- 完全に溶けたら精油を加えて混ぜる
- 容器を入れ替える場合は、粗熱を取り入れ替える


固まり始めるときは一気に固まってくるので(常温では固形)、違う容器に入れ替える場合は完全融解している時点で移し替えたほうが出来上がりが綺麗です。アルミ容器に入れると市販品のような見栄えです。今回は多めに作ったので、ジェルマスクのプラ空き容器に入れ替えました。

実際の作業は10分程度。ミツロウやホホバを加減したり、オイルの種類を変えてみたり、精油を何種類かブレンドしてみたり、カスタマイズは無限大です。一度作ってみて、自分好みの配合割合を探してみるのも面白いと思います。
プラ容器
日用品や化粧品の大半は、使い捨てのプラスチック容器に入れられて販売されています。化粧品に関しては、これまでにデザインで”パケ買い”することも多く、増えていくプラ容器に葛藤することもありました。いくら頑丈で凝った容器でも、使い切ったら捨ててしまうことがほとんど。ガラス容器のメーカーにしたこともありましたが、リデュースにはならず、ただゴミの分別が変わっただけのように感じました。
改めて思い返してみると、このプラ容器だけでも、一人で莫大な量のプラスチック消費量です。”エコ”と言われる詰替品ですらプラ製品に詰められています。日本の一人当たりのプラ消費量は米国に次いで、世界第2位です。
好きな商品を好きな分だけ計り売りで買えるバルクショップをもっと気軽に利用できればよいのですが、まだ店舗数も少なく、なかなか利用するのが難しいです。(地元の個人商店を利用する機会があれば、容器を持参してみるのもよいと思います。聞いてみると快くokしてくださるお店も多い印象です。)
こちらは、回収対象がまだ大手メーカーだけのようですが、容器の無料回収プログラムが身近に利用できるようになっています。ラインナップを見ると、こんなものも回収できるんだと驚きました。世界各国で展開されているテラサイクルが運営しているようです。最近、日本でも一部の地域のイオンでLoopが展開されたのをご存知の方もいるかと思いますが、同じ運営団体です。身近なスーパー等で回収を行っているようなので、チェックしてみてください。回収商品、店舗を確認できます。
今後はもっと小さな地域単位でもこういう取り組みが増えて、全世界での取り組みにひとりひとりが参加できるといいですね。
市販のキラキラした商品を用途別に揃えていく楽しみもわかるのですが、たまには手作りの品で代用することで地球環境を考えてみてはいかがでしょうか。ヘアバームはその一例だと思います。材料を揃えなければいけないので最初は少し手間に感じるかもしれませんが、なにより制作過程は楽しくて満足感があります。お気に入りの空き容器を持て余していたり、手作りコスメに興味のある方はお休みの日にでも作ってみてください。
コスメキット
環境活動家の露木しいなさんが、エシカル、ヴィーガン、ハッピーをコンセプトに口紅の作成キットをローンチしています。女性は一生で最低7本の口紅を食べているのだとか。環境にも身体にも配慮したものを使いたいですね。
2021年10月上旬再販予定のようです。詳しくはしいなさんのインスタをチェック!