海原へ
ヨット日和
”まさにヨット日和、海の状態も最高”そんな言葉が聞こえてきました。
心地良い音楽を流しながら、美濃が浜に向かう車内で、メンバーの皆から「昨年ヨット乗ったんでしょ!どんな感じだったの?」と尋ねられ、「ものすごく楽しかったよ!風に乗るって心地いいの。楽しかったよ!」とかすかな先輩風を吹かせました。
そうは言ったものの、海の上に浮かぶってどんな感じだったっけ?ヨットの上の風は心地よかったけれど、ヨットの上って怖くなかったっけ?
ヨットの上で私石像になってなかったっけ?
コータロー師匠がテキパキと準備を進める様子を見学しながら、昨年のかすかな記憶を辿っていました。


他のメンバーに目を向けると、めちゃテンションあがっているのすけさんを発見。初日、古代塩で美濃が浜に初上陸したのすけさんも、ここ秋穂二島がお気に入りになったと興奮して話していました。

こんな気持ちのよい天気でヨットに乗れるなんて最高!
いざ、海へ

ヨットを海に浮かべると、風でバタバタと音をたてるセイルの音が聞こえてきました。音の聞こえるほうを見つめ上を向くと、暑くて眩しい太陽がこちらを燦々と照らしています。
”強めの晴れ女だよ”
”どちらかと言えば晴れ女”
そんな晴れメンバーの恩恵を受けて、”強めの雨女”の私にも夏の太陽が大胆に顔を見せています。今夏、岩手に来てから夏らしい太陽を一度も見ておらず、これこれ、この夏の眩しさが恋しかった!と目を細めました。

”絶対にほどけない結び方”で括りつけたマイボトルを放り込み、ヨットの上に腰掛けて海に出ると、「あ、この感じ」と昨年の記憶が徐々に蘇ってきました。

とは言っても、ヨットに繋がれたいくつかのロープや各部の名称、ヨット用語は相変わらず聞きなれない言葉ばかり。ドラゴンから内藤さんが指示を出す言葉だったり、師匠たちが当たり前に使っている言葉だったり。その動作を見て「へ〜、これってそう言うんだ。あ、その言葉昨年も聞いた!」と楽しくお勉強。

カモン、カメラマン
波風をよむ
ヨットは、風と波をよんで進んでいきます。前回も今回も、隣で風をよむ師匠たちの姿に圧倒されっぱなしでした。目的地の竹島まで、師匠に指示をもらいながらロープを握りしめて舵をきっていきます。

目的地が風上方向にある場合、最短距離で走る際に方向転換を行わないと、目的地からどんどん離れて行ってしまいます。目的地に向かうなら直線で向かえばいいんじゃないの?と思ってしまうのですが、ここは海の上。風と波の動きをよんで思う方角に連れて行ってもらわなければなりません。そこで、目的地に向かうために方向転換をジグザグに繰り返して風上へ向かっていきます。ヨットの上では、”タック”という言葉を頻繁に聞きましたが、このジグザグに進むときの方向転換を”タッキング” といいます。
タックする=風上航での方向転換 もともと”留めておく、固定する”という意味。右舷から受ける風で帆を固定するという意味から”スターボードタック”、その状態から進路変更するという意味で「タックを変える」(ポート・タック⇄スターボード・タック)、「タックする」と言うようになったそう。
メモ ヨットの左舷をポート、右舷をスターボード

そんな感じで、目的地の竹島まではタックしながら進んでいきました。タックをする際、ブームが艇の中央に移動してくるので頭を下げて反対舷に移動するのですが、ぼーっとしてタイミングがずれると顔面強打しそうなので、師匠の指示を注意深く聞いていました。五体投地さながらに頭を下げるのは得意技(笑)
「風向きが変わったね」とか、「じゃあ、タックしようか」とか声をかけてくれる師匠が、魔法使いのように見えてきます。なんで今のタイミングなんだろう、どこでわかるの?経験?
風はどこでよんでいるんですか?
師匠は、セイルの方を指差しました。
テルテール!
テルテールはセイルに取り付けられたリボン。風がセイルをきれいに流れると、このテルテールが横に流れます。昨年、師匠から教えてもらい覚えていた名称です。
テルテールの役割がわかったところで、風がよめるわけではないのが現実ですが(笑)

魅惑のハイクアウト
昨年、ヨットの上の動きで一番印象に残っていたのが、”ハイクアウト”でした。
ハイクアウト 風が強くなると、セイルに力が加わりヨットが傾く。そこで、ヨットがひっくり返らないように反対側に体重をかけてバランスをとる必要が出てくる。その際、体をヨットの外側に出してバランスをとることをハイクアウトという。特に、上り(クロスホールド)の際には、ヨットのフットベルトに足をかけて、体を艇からより遠くに出す。
昨年は、転落したくないし、体幹がプルプルしてきついしでにわかにしかできなかったハイクアウト。

ハイクアウトをしたいと告げると、「今ちょうどいいよ」師匠が教えてくれました。
今年はなんだかいける気がする!
何なら落ちてもいいや、大丈夫。もう無理かなと感じてからその先、さらに遠くへ体を乗り出しました。波と一体化しているような感じ。波の上に寝そべっているみたい。この感じがわかってからはもう無敵。ハイクアウトの虜になりました(笑)
おー、上手、上手!カメラ来たら思いっきりやってみようか。撮ってもらおう
ドラゴンが近づき、今日イチ最高のポージング!できるようになった姿を、さあ、撮ってくれ!
(すーっと真横を通り過ぎていくドラゴン)

え、撮って。。(体幹プルプル)ねえ、カメラマン。。
誰もカメラ持ってなかったね、残念(笑)と師匠。写真が残っていないのは残念ですが、波との一体感の心地よさは今でもしっかり覚えています。
途中で転覆し、ふくらはぎを強打するプチハプニングもありましたが、そんなハプニングも楽しめている自分がいました。
ヨット、最高に楽しい!
その後も、タックを繰り返しながら竹島に上陸。今年は鳥居を越えて参拝もできました。(竹島で北島さんレベルに土器片見つけた)
波感を楽しむ

経験すること
昨年よりも上手くなってるんじゃない?
後で内藤さんと師匠たちからそう言われたものの、その時自分ではよくわかりませんでした。しかし、改めて振り返ってみると、昨年よりも”波感”をめいいっぱい楽しめていた自分に気付きました。一度やったことがあるって強いんだなあ。経験ってそういうことか。

物質的なものを所有することではなくて、自分が興味を持ったことや場所には行ってみる、やってみる。そういった経験には時間もお金も惜しまないと言っていた友人の言葉を思い出しました。彼は世界中を旅しており、その視野の広さにいつもインスピレーションをもらっています。
そして経験も大事だけれど、競技するうえでは理論も入っている方が絶対に強いよ、と師匠。説明書を熟読するタイプではないのですが、風の読み方、ヨットの原理、基本操作などは気になっています。(ヨット旅もするよ〜という話を聞いてかなり気になっているヨット旅←)お勉強だけでも始めようかな。

”波感を楽しむ”という今回掲げた意気込みは、師匠たちのサポートで難なくクリアできました。また新たな楽しみを知ってしまいました。
結局、ヨットでは飲まなかったマイボトルを取り外しました。蓋を開けて水を飲むと、ほどよい塩味でした。

どちらかと言えば普段クールなゆうてぃー。ヨットから降りると、ものすごくテンションが上がっているようでした。「これはすごい。めっちゃ楽しい!」きらきらした笑顔でヨットの上の出来事を話していたのが印象に残っています。


この1年で、クラブに新しいメンバーも増えたようです。ますます盛り上がりそうなCAPE HOUSE、美濃が浜。
私の山記事も、いつしか海に変わっているかも、なんて(笑)
