賢治さんを訪ねてvol.3

賢治さんファンの集い場所

立て続けに賢治さん関連の施設を巡り、普段なら飽きてしまいそうなところですが、気になっていたお蕎麦屋さんをスキップし、寄り道もせずにやってきました。

ここは、賢治さんに関する様々なジャンルの芸術作品、研究論文が数多く収集された文学館です。しかし、学術的な専門家向けのどこか小難しそうな場所ではなく、明るいアートにあふれた憩いの場所といった雰囲気です。

ホール

館内には、200席収容できるホールがあります。講演会、研究発表、コンサート、演劇などの催しにも利用されているようです。普段は、賢治作品、アニメ等の映像を上映しているようです。

猫のじむしょのスタッフさん

猫のじむしょ

入り口を入ってすぐのところに売店「猫のじむしょ」と喫茶スペースがあります。売店では賢治さんグッズを多く取り扱っていました。喫茶メニューは公式ページで見れます。

そして、この売店にいらっしゃったスタッフがとても気さくな方々で、滝沢に住んでいたことを伝えると、この地方のいろいろな話をたくさん聞かせていただきました。これまで職場の方以外と話す機会が少なく、この地方の話が聞けてとても楽しい時間でした。

話のなかで、賢治さん施設をまわって「注文の多い料理店」のファンになってしまったこと、そして、その初版本の挿絵にたまらなく惹かれたことを伝えました。

このスタッフさんたちの知識量、情報量が想像以上にすごかった!

”賢治さんのことをよく知っている方々”くらいに思っていたのですが、”よく知っている”と一言で言えるレベルではありませんでした。何冊もある本の中から挿絵が出てくる本を全て紹介してくれ、挿絵に関する歴代の展示、展覧会、初版本以降の挿絵の変遷、そしてなぜ私が魅了されてやまない初版本の挿絵がことごとく見当たらないのかの推測等、ファンならよだれものであろうネタまで分かりやすく丁寧に教えていただきました。

賢治さんのことならここで聞けばほぼ分かる

そう確信しました。

図書室

実は、この館の2階には図書室もあります。膨大なデータベースが蓄積され、現在、宮沢賢治関係の蔵書は約2万冊あるそうです。

先の「注文の多い料理店」初版本の復刻版が出ているものの、大変人気のためどこの書店でもデッドストックだそうで、その復刻版が図書室にあるから、よければ見てみないかと声をかけていただきました。

そんな貴重な資料が見れるなんて!

本来、図書館に案内できるスタッフさんが限られているため、図書室を利用するには事前予約していったほうがいいそうです。

図書室の窓際には自習スペースのような個別の閲覧スペースがあり、ここでゆっくりと蔵書を眺めることができます。

スタッフさんが、これまでに話した内容からおすすめの蔵書も併せて持ってきてくださいました。

ここ、最高やん

図書室には私以外誰もおらず、静かに貴重な資料を広げました。落ち着く空間のなかで、今興味の頂点にある本を眺める。最高に心地よい時間でした。

帰りは爆走ヘルメッツ

夢中になって読み耽りました。ふと、顔を上げて窓を眺めるとあたりが暗くなり始めているのに気づきました。

レンタサイクル返却!

腕時計に目をやると、これは大変!爆走強で疾走しても間に合うかどうかの時間になっていました。慌てて荷物をまとめて本を返却、優しいスタッフさんたちにお礼を言いものすごいスピードで駐輪場所に駆けていきました。念のため、貸し出し場所の観光協会にも連絡をいれました。返却時間を少し過ぎてもしばらくはいるから気をつけて帰ってきてください、とおっしゃっていただきました。

さて、また本気でヘルメッツ。花巻駅までご安全に大爆走。ここで、電動アシスト大活躍(電動アシストいらんのちゃうとか言うてたん誰や)。

まだそこまで遅い時間ではないのに、お馴染み岩手時間、もう日が傾いています。早い時間にもう家帰らなきゃと思ってしまう、いつものあれです。でも、岩手、やっぱほとんどチャリ見ないなあ(笑)

どうにか辿りついて観光協会のスタッフさんにキーを返すと、スタッフさんはたいそう驚いた顔をしました。

あのときまだ、イーハトーブ館だと言っていたので、もっと遅い時間になるだろうと思っていました。ものすごく急いでいただいたようで!早くて驚きました。

最高に満喫できたこと、親切なスタッフさんに丁重に礼と詫びを伝えました。