大山を訪ねる直前、鳥取地方で豪雨災害が起きていた。豪雨で被災した駅を回避するためのバスの代替輸送、ダイヤが乱れてしまった電車、思いのほか米子インに時間を食ってしまったが、道中のローカル線は思いのほか心地よかった。人もまばらな車内で、母手作りの梅おかかのおむすびをほうばった。大雨の洗礼を受けて全身びしょ濡れ、これまた修行僧のようないでたちでホテルにチェックインをした(かばんのレインカバー忘れて大惨事)。控えているナンブトリップには生乾き臭で赴くしかなくなった。


米子市内からバスで大山に向かう。始発のバスに乗り込むと運転手さんが「おはようございます」と元気に挨拶してくれたが、乗客は最後まで私だけだった。有名なお山だけれど、公共交通機関で向かうにはいささか不便な場所のようだ。

「いつもこの時期は15人くらい乗ってるんですよ。連日の大雨で地盤が緩んでいて石もだいぶん崩れているみたいです。お気をつけて。」

どんどんガスってくる

山に詳しくなくてもその名は知っているであろう、大山。標高が上がるにつれて、降りてくる人とちらほらすれ違った。(え、もう下りなの?いつから上りはじめたのよ)その理由はこのガスを避けて景色を見るためなのだと登り慣れた方々が教えてくれた。次第にあたり一面ガスってきて、絶品といわれる景色も拝めず、思いのほかどこまでも続く階段に膝がガクガクしてきている(整備された上りの階段苦手)。

ガスってる頂上付近。ここは歩きやすいけど、さすがにへそだしクロップトップは寒い

足をガクガクさせながら、耐えきれずゴアテックスを取り出した。先日、テックウォッシュしたばかりなのに。安物のレインウェア持っていくか迷ってたんだけれど、ゴア持ってきてて正解。

綺麗な景色は全く拝めなかったけれど、霧がかった森は幻想的。次は、ユートピアコース挑戦しよう。

残念だったなと思いながら、帰りのバスに乗り込んだ。何気に後ろを振り返ると、晴れ間の見えた空からおはようと言わんばかりの大山が顔を出し始めていた(え?待ってよ、今?)。「これより米子市内行き、発車しまーす(プシュー)」写真はない。