アイコニックベイサイド

それぞれの楽園

マッキーがポツリと呟いた。

私はここが楽園やわ

シンガポール旅行といえばの有名な観光名所がギュッと詰まったベイサイド。以前の私も、”シンガポール”と聞いて思い浮かんだのは、アイコニックなライオンと高級ホテルだけ(それ以外何あるん?)だった。

どのガイドブックにも、映えるモデルルートが組まれている。究極なまでに美しく整備された景色に囲まれ、ハイソなカフェで一休み。周辺でショッピングを楽しみながら、ゴージャスなイルミネーションに感動、そして夜はすぐそばの高級ホテルに滞在。シンガポール観光はこのマリーナ・エリアだけで完結してしまうようにも思えてくる(もちろんそんなことはない)。ショッピングや飲食も他エリアに比べてややお高め設定だが、衛生状態は保たれ、不自由さも全く感じない(ともすればシンガポールに来てることを忘れそうなくらい)。安心さと快適さを求めるなら、ここほど最適なところはないのかもしれない。

自身の天邪鬼を自認しながらも、シンガポール渡航前から私はマッキーにあれこれの自論を熱く語っていた。

シンガポールの中身ってさ、ここだけじゃないと思うねん快適だけど、なんか物足りない感じ。

前回旅でチラッと垣間見えた、薄暗い小道のリアルな景色がずっと脳裏に焼き付いていた。戻ってくるなら、あの場所に、と。

人工的に貼り付けられた外側だけじゃなくて、住民の人たちが実際に見てる景色が見てみたい

苦笑いでマッキーが返答した。

なんであの場所に滞在を決めたのか、今ならその意味がわかるわ

正直なところ、本当に前回と同じ国に来ているのかと疑うレベルの滞在環境だ。初日ですでに萎えているマッキーの姿も目にしていた。確かに、グレードをあげて改善できるのであれば、あの底辺の水回り環境だけは改善したい。ベイサイドを歩いていると、自分たちの滞在環境の過酷さが際立ち、少し恨めしくなることもあった。

私はここのがいい。ここが楽園

マッキーは美しいベイサイドを心底楽しんでいるようだった。

そして、私は飄々としながら、リトル・インディアの少し薄暗い道に辿り着いてつぶやくのだ。

私は、ここが楽園。

リベンジマー(おまけ)

変わったのは打たせ湯位置とブラケットの有無。推しのセントーサまーがいなくなってて残念。

2018年まー

打たせ湯。(友よ、なぜにそこで撮った笑)

2023年まー

ようやく手の内に。少しの貫通はご愛嬌。