エイブベリーのアーサー王物語

夏のエイブベリー、山田南平先生のアーサー王物語

最近、「あなた漫画なんて読むの?」なんて聞かれることもあるが、小学一年生から熱狂的な漫画っ子だった。休み時間は自由帳に漫画の主人公たちを黙々と描いていたし、放課後は家で待っている漫画の続きが気になって家路を急いだ。絵の上手な友人と一緒に漫画のあれこれについてお喋りしていたような記憶もある。あの頃から比べると、確かに、最近はほとんど読んでいない。

私が、山田南平先生の漫画と出会ったのは高校時代で、友人に勧められたのがきっかけだった(友人についてはこちら)。高校生になって、漫画を読む機会がグッと減ってしまった気がするのは、月間漫画雑誌を買わなくなってしまったことが大きい理由だと思う。それでも、今に比べればまだ読んでいた。当時は、山田先生の絵が好きというより、(脇道を堂々と進むような)ストーリーが好きだった。どこかで起こりそうなフツーに潜むファンタジーに魅了された。

だから、最近ほとんど読んでいない漫画を、それも山田先生のこの作品を、ほんと偶然に見つけてしまって驚いてしまった。昨夏、訪れたエイブベリーが舞台だったのだから。(エイブベリー;ストーンサークルをめぐる冒険はこちら

エイブベリーで過ごしたあの時間は、私にとって特別な時間で、思い出すと温かい気分になる。漫画に登場するエイブベリーの巨石を見て、これはあの石だろうか、、なんて考える。これは、とても不思議な感覚で、ジョーの言葉で石に触れたとき、確かに石は語りかけてきた。涙が頬を伝っていた。

エイブベリーにて。貴重な巨石にこれほど近づけるのは、かの有名なソールズベリーでは考えられない。

エミリーたちと過ごした間に訪れたいくつかの村では、確かに「アーサー王の話」を時折耳にした。山田先生は、30年以上も前から、「アーサー王物語」を題材にした作品を構想していたそうだ。私自身、「アーサー王物語」はほとんど知らないが、漫画は物語を知らない読者を置き去りにはしない工夫がされている(「アーサー王物語」も読んでみようかな)。歴史ファンタジーものといえば、篠原千絵先生のファンなのだれど、イギリスを舞台にした「アーサー王物語」が山田南平先生の手でどんなふうに展開していくのか、楽しみで仕方がない。

この作品は、アシさんたちを使わず先生一人で描かれているのだとか。山田南平のイメージに沿った作品はきちんと連載しつつ、先生のライフワークになりそうな趣向の異なる別プロジェクト。単行本だけではなくて、オンラインでも何冊か無料で読めるみたいなので、要チェック。