リスボンは、坂道、石畳、アズレージョが今に息づく歴史を刻んでいる。全体的にビビッドな色味の建物が多いのだが、古びたアズレージョとのコンビネーションは全く嫌味がない。一つの建物を見るだけでも、数時間潰せそうなくらいの魅力がある。

レトロな食器棚のようなアズレージョ

観光名所の建物はもちろん美しいが、何気なく通り過ぎた建物でさえも美しい。しかも、それが華美に飾り立てられてることなく古い面影を残している姿にも好感がもてた。

歩きやすい道をそぞろ歩き。神戸元町のような、イタリアのベネチアのような、うきうきとする細い路地裏が好物の私を惹きつけてやまない魅力がこの場所にもあった。リスボンはエリアごとに雰囲気が異なり、それもまた好奇心を掻き立てた。

歩いていると、甘そうな黄色のポルトガルスイーツとジェラートがあちらこちらで誘惑してくる。

こちらへ来て驚いたのだが、ケーキ屋や専門店でなくても、どこのレストランやカフェでも、たいがい自家製の美味しそうなスイーツを置いている。しかもどこもリーズナブル。食べ歩きをしようものなら、軽く一食分になってしまいそうな大きさだ。

日本の4〜5月くらいの穏やかな気候で、オープンテラスのレストランも多く、皆家族や友人たちと外で食事を楽しんでいる。

素朴で飾らず、だがどこか親近感のわく対応をしてくれる人が多く、とても居心地がよい。アゾレスまでの単なる中継地のつもりだったが、またじっくり探索に来たい場所だ。

ホステルのキッチンで簡単に料理を済ませ、シードルの瓶を開けた。

明日はイワシのパテを買おう。