そして夜は明ける
早朝、暴風雨で目が覚めた。
低地でこれなのだから、ピコ山はきっと大荒れだろう。
悪天候でピコ山への山行がキャンセルになり、選んだ白ワインはあまりに軽過ぎて、沈んだ気分のまま朝を迎えた。
手作りのホットサンドで遅めの朝食をとり、ポルトガル語で書かれた洗濯機をどうにか回す。昨晩ほったらかしにしていた洗い物も片付けなくては。平日に溜め込んだ雑事を週末にこなすような感じで時間が過ぎ、日本にいるのか海外にいるのかもよく分からなくなってきた。
1冊の本に導かれ
このまま昼寝でもしてしまおうかと悩んだが、お昼頃には少し晴れ間も見られるようになってきたので、昨晩部屋で見つけたアソーレストレックの本に従い外に出てみることにした。


せっかくここまで来たのだから、その場所を楽しまないと。ピコ山でなくても、この島には美しい景色が広がっていそうだ。

外は風がきつかったが、初めて歩くピコ島の景色にうきうきし始めていた。
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