賢治さんを訪ねてvol.1

賢治の学校

賢治さんの館シリーズ。まず、立ち寄ったのは、ここ宮沢賢治童話村です。賢治さんの童話の世界観を楽しく学べる施設になっています。視覚と聴覚で楽しめる館内に加え、ファンタジックな周辺の森も散策することができます。そして、賢治の学校の中は「ファンタジックホール」、「宇宙」、「天空」、「大地」、「水」の5つのゾーンに分かれています。

ちなみに、グーグルマップの案内でなぜか(いや、いつも通りか。。)、スタッフ用の裏口通路のような場所からここに辿り着きました。童話村の入り口は逆方面で、入り口方面に駐車場、駐輪場があります。逆方面から来館し、スタッフの方に声をかけてこちらの館内の裏側にあるスペースにチャリを駐輪させてもらいました。

入ってすぐの空間は開放感にあふれ素敵な空間です。

こちらの館は活字での説明が少なく、地元の幼稚園児たちも遠足に来ていて楽しんでいるようでした。園児たちのはしゃぐ声で賑やかな館内。音と映像で凝った展示ですが、賢治さんを掘り下げたいと思って来館したので少し物足りなく感じました。どちらかと言えば、小さなお子さま向けの施設のように感じました。

このように、館内の前半は、大掛かりなセットを使った大胆な展示でした。

手作りチェロの作品も。温かみがあって素敵な作品です。

しかし、私が一番夢中になったのはこの後半の仕掛け人形による童話でした。ここで、前半感じていた物足りなさを埋めることができました。仕掛け人形の前方には活字で物語が書かれていて、場面ごとにセットが展示されています。絵本が仕掛け人形になって飛び出してきたようです。賢治さんの世界観が忠実に再現されています。

仕掛けセットはこじんまりとしていて、一見すると地味ですっと通り過ぎてしまいそうになりますが、場面ごとのキャラクターたちの表情がとても豊かで、ひとつづつ時間をかけてじっくりと表情を観察しました。

これまで賢治さん作品をきちんと読んでこなかったことが、逆によかったのかもしれません。確かに、名前は聞いたことのある童話が多いですが、内容を知らない、もしくは覚えていないので物語にどっぷり引き込まれてしまいました。普段忙しない毎日を送っている大人にこそ、ここでゆっくり過ごしてみるのをおすすめします。

その小さな仕掛けのなかの世界はとても広大なイーハトーブ。

この景色を見ていると、なんだかとても贅沢な気分になってくるのです。物理的には小さな世界をこれだけじっくり観察できるのですから。ジオラマを何分も見つめる大人になってみるのも悪くない。

そして、今ではすっかり虜になってしまった「注文の多い料理店」。虜になったきっかけは、この展示でした。これについては長くなりそうなのでまた今度。

賢治の教室

ログハウス展示施設「賢治の教室」では、童話に登場する「植物」、「動物」、「星」、「鳥」、「石」についてログハウスごとに展示がされています。

どのハウスも、実物と分かりやすい文章で展示されていますが、かなりマニアックな解説が多かったです。展示方法もそれぞれの館できちんとディレクションされており、温かみのある展示ばかりでした。

賢治さんの作品には岩手の自然がたくさん登場しますが、これは彼自身のフィールドワークでの実体験からくるもので、どれだけ彼が岩手の生態系に敬意を払っていたかを感じることができました。

賢治の教室のログハウスの中には、賢治さんグッズを取り扱うお土産物屋さんもあります。そして、教室を抜けると裏山に続く階段があり、森の中を散策することもできます。

天空の広場

自分がだんだんのっぽになるという不思議なゲートがあります。

園内には、期間限定でライトアップされるオブジェが一際目をひきます。

賢治の学校は入場料がかかりますが、この童話村への入場は無料です。ライトアップ時は駐車場も満車になるようです。

アートと自然が、賢治さんの世界観のなかで融合した、不思議な場所です。

周辺の森を散策される方は、少し多く時間をみていたほうが楽しめると思います。

昔、このあたりでは、子どもたちのおやつに”やまなし”というのがよく食べられていたようです。実物がそっと置いてくれているの、なんだかいいですよね。

銀河ステーション

この土産物屋さん、なかなか珍しいものがたくさん置いてありました。賢治さんにちなんだ石なんかも売られています。

小さなお子さまも楽しめる仕掛けがたくさんの童話館。家族連れにもおすすめです。