カッパ淵

遠野とカッパ

カッパ伝説は日本各地にありますが、ここ遠野でもカッパに関する言い伝えが「遠野物語」にも登場します。現代の生活から考えると一見不思議な話も数々登場しますが、雪深い土地に根付く当時の施策や飢餓状況など、あまり口外されることのない現実でだったようです。

遠野の地に足を降ろしたとき感じた”静寂さ”。岩手の他の土地でも静寂さを感じる土地はありましたが、このあたり一帯がシンとした独特の感じ、これが遠野なのだと感じました。今回の滞在時間は短かかったものの、その遠野特有の空気感を感じることができました。

江戸時代、遠野は飢饉の被害が深刻だったそうです。小さい子供や高齢者が、しばしばその犠牲になりました。

一説には、カッパは「川にお返しした」子の化身だと言われているそうです。また、遠野物語にも登場するように、老人は「デンデラ野」という姥捨てエリアで死を待ちました。家族が山にでかけて帰ってこなかったり、子どもが突然姿を消す神隠しなど、山深いエリアでの気候的な厳しさに加え、飢饉まで。現実と物語のはざまで遠野は存在しています。

カッパ淵

カッパ淵は、かつてカッパが多く住んで人々を驚かしたという伝説が残る場所です。伝承園からは徒歩5分程度です。

淵の水辺にはカッパの神を祀った小さな祠が建っています。カッパの神は乳の神で、乳児のいる母親が母乳の出がよくなるように祈願するとよいとされています。願掛けには赤い布で乳の形を作り、この祠に収めるのが習わしのようです。

河童の捕獲には、“カッパ捕獲許可証”が必要です。カッパ捕獲許可証は先の伝承園で購入できます。えさはきゅうり!

ちなみに、伝承園内限定ですが、釣竿持ってカッパ釣り体験できます。